モバイルオートメーション API 入門

このクイックスタートガイドは、Mobile Automation API を使用して初めてのコード化されたオートメーションを作成するための手引きです。このチュートリアルでは、自動テストを目的として UiPath® Android Basic アプリと Sauce Labs の Google Pixel Emulator を使用します。

1. モバイルデバイスマネージャー内にモバイルデバイスとアプリケーションを追加する

コード化されたオートメーション内で目的のモバイルデバイスとアプリケーションを使用するには、まず MDM (モバイルデバイスマネージャー) でそれらを作成する必要があります。

アプリケーションを作成するには、以下の手順を実行します。
1. MDM を開き、[アプリケーション] に移動します。
2. [アプリケーションを追加] を選択します。
3. [アプリケーションを編集] ウィンドウで、必要な情報を入力します。
  1. 名前: この例では、Basic App - Android を使用します。
  2. 種類: ネイティブアプリケーションの場合は [アプリ] を選択します。
  3. プラットフォーム: [Android] を選択して、Android アプリケーションを自動化します。
  4. アプリ: この例では、Basic Android アプリへのリンク https://uipathtestappsto.blob.core.windows.net/testapps/BasicAppAndroid.apk を入力します。
  5. アプリのパッケージ: モバイルアプリケーションのパッケージ (例: com.example.basicapp) を入力します。
  6. アプリのアクティビティ: アクティビティのインスタンス (例: .core.MainActivity) を入力します。
  7. [希望する追加機能] に appium:app 機能を追加して、アプリケーションが期待どおりに動作するようにします。
  表 1. 希望する追加機能
  名前値 (Value)
  appium:app appium:app https://uipathtestappsto.blob.core.windows.net/testapps/BasicAppAndroid.apk
デバイスを作成するには、以下の手順を実行します。
1. [デバイス] に移動し、[デバイスを追加] を選択します。
2. デバイスに名前を付けます。この例では、Google Pixel 3a GoogleAPI Emulator を使用します。
3. パラメーター [Appium URL]、[プラットフォーム]、[デバイス名]、[プラットフォームバージョン] を設定します。
  1. 選択したモバイルデバイスファームプロバイダーからパラメーターを取得します。この例では、Sauce Labs を使用しています。
  2. [Appium URL] を取得するには、[Account]、[User Settings] の順に移動します。[Driver Creation] の下にある [On-demand URL] をコピーします。
  3. [プラットフォーム]、[デバイス名]、[プラットフォームバージョン] を取得するには、[Automated]、[Platform Configurator] の順に移動します。Google Pixel 3a GoogleAPI Emulator と Android Emulator version 10.0 の機能を選択します。[Config Script] で、Appium version を選択します。この例では、2.0.0 を使用します。
  4. Sauce Labs から MDM に値をコピーして貼り付けます。
4. [保存して閉じる] を選択します。
5. [このデバイス上でアプリケーションを開始] を選択し、以前に作成したアプリケーションにデバイスを接続します。

表 1. 希望する追加機能
名前	値 (Value)
`appium:app`	`appium:app https://uipathtestappsto.blob.core.windows.net/testapps/BasicAppAndroid.apk`

2. モバイルアプリケーションのオブジェクトリポジトリを作成する

希望のモバイルアプリケーションを自動化するには、そのモバイル要素をプロジェクトの [オブジェクトリポジトリ] に記録します。この例では、自動化に使用する 3 つの UI 要素を含む、一般的なホーム画面を備えた Basic App アプリケーションを作成しました。オブジェクトリポジトリの構造がどのように表示されるかについては、以下のリストをご覧ください。

BasicApp
- HomeScreen
  - EditText
  - SingleClickButton
  - VerifyText

3. 接続を確立する

MDM でデバイスとアプリケーションを設定したら、オートメーションのコードの記述を開始します。モバイルオートメーション API を使用する前に、対応する API を使用して、選択したモバイルデバイスとアプリケーション間の接続を確立する必要があります。

connection は、デバイスとアプリケーションの間に作成するコネクションを表すクラスであり、モバイルテストシナリオの自動化に使用できる API を公開します。connection の作成について詳しくは、「コネクション」をご覧ください。

コネクションを作成するために使用可能な専用の API が一式用意されています。この例では、String 型のデバイス名とアプリケーション名を必要とする、2 番目のオーバーロードを含む、Connect API を使用しました。

以下の手順に従いコネクションを作成します。

個別の変数を作成しないように、using ステートメントから始めます。
using ステートメント内で、2 番目のオーバーロードバージョンを含む Connect API を呼び出します。
このオーバーロードの場合は、デバイス名とアプリケーション名を入力して、コネクションを確立します。
```
[TestCase]
        public void Execute()
        {
        using (Connection connection = mobile.Connect(
            "Google Pixel 3a GoogleAPI Emulator", 
            "Basic App - Android"))[TestCase]
        public void Execute()
        {
        using (Connection connection = mobile.Connect(
            "Google Pixel 3a GoogleAPI Emulator", 
            "Basic App - Android"))
```
必要に応じて、デバッグ目的で Log メッセージを追加できます。
```
Log("Connection established"); Log("Connection established");
```

4. モバイルアプリケーションとデバイスの自動化を開始する

この例の自動化のフローには、特定のボタンのタップ、モバイル画面に表示されるテキストの取得、スライダーコントロールのスワイプが含まれます。これらのアクションは、実際のモバイルオートメーションのシナリオをシミュレートします。

この例の UI 要素の自動化には、IElementDescriptors を使用しました。これらは、オブジェクトリポジトリから直接アクセスする UI 要素を表します。モバイルオートメーション API では、IElementDescriptors 以外にも、他の種類のセレクター (ObjectRepositoryTarget や SelectorTarget など) を使用できます。他の種類のセレクターをいつどのように使用したらよいかについては、「API セレクター」をご覧ください。

Tap API を呼び出して Android Basic アプリの SingleClickButton をクリックします。

// Tap the SingleClickButton
            connection.Tap(Descriptors.BasicApp.HomeScreen.SingleClickButton);
            Log("Tapped SingleClickButton ");// Tap the SingleClickButton
            connection.Tap(Descriptors.BasicApp.HomeScreen.SingleClickButton);
            Log("Tapped SingleClickButton ");

SetText API を使用して、特定のテキストを [EditText] フィールドに入力します。

string expectText = "Random text";
            connection.SetText(Descriptors.BasicApp.HomeScreen.EditText, expectText);
            Log("Inserted random text");string expectText = "Random text";
            connection.SetText(Descriptors.BasicApp.HomeScreen.EditText, expectText);
            Log("Inserted random text");

前の手順で設定したテキストを取得し、[テキストを検証] UI 要素のテキストと一致するかを検証します。Get Text と Verify Expression API を使用します。

var actualText = connection.GetText(Descriptors.BasicApp.HomeScreen.VerifyText);
            testing.VerifyExpression(expectText == actualText, "EditText validation failed.");
            SelectorTarget selector = null;var actualText = connection.GetText(Descriptors.BasicApp.HomeScreen.VerifyText);
            testing.VerifyExpression(expectText == actualText, "EditText validation failed.");
            SelectorTarget selector = null;

PositionalSwipe API を使用してスライダーコントロールを移動します。
PositionalSwipe API には、スワイプ操作の開始位置と終了位置を表す 2 つの Point 変数が必要です。わかりやすくするために、API を使用する前にこれらのポイントを作成してください。
```
// Perform a positional swipe operation to use the slider

            var startPoint = new Point(226, 304);
            var endPoint = new Point(296, 304);
            
            connection.PositionalSwipe(startPoint, endPoint);

            Log("Performed Swipe action."); // Perform a positional swipe operation to use the slider

            var startPoint = new Point(226, 304);
            var endPoint = new Point(296, 304);
            
            connection.PositionalSwipe(startPoint, endPoint);

            Log("Performed Swipe action.");
```
画面の位置を取得するには、MDM でアクティブなコネクションに移動します。モバイル画面の上にカーソルを置きます。これにより、MDM の左下隅にカーソルの位置がピクセル単位で表示されます。