- リリース ノート
2021 年 9 月
コンピューターの世界でさまざまな技術が発達するにしたがい、自動化によって実現できることも日々増えています。
これに伴い、支障なくオートメーションを活用するためにインフラストラクチャを適切に計画・管理する必要がある場面も多くなりました。
今回は、無人オートメーションの運用全般に関わる管理者の課題を解決する一連の新機能を追加しました。以下ではそれらの機能について詳しく説明します。
対応 OS およびターゲット フレームワークの指定
Studio で新しいオートメーション プロジェクトを作成する際、開発者はまず最初に、オートメーション プロジェクトの基になるターゲット フレームワークと、対応するオペレーティング システムを選択するよう求められます。これはその後プロセスを実行するために必要な設定です。
以下の表では、プロセスの実行に必要な Robot のバージョンをターゲット フレームワークおよび対応 OS 別に示します。
ターゲット フレームワーク |
オペレーティング システム |
Robot のバージョン |
---|---|---|
.NET Framework 4.6.1 |
Windows - レガシ |
すべて |
.NET 5.0+ |
Windows |
21.8+ |
.NET 5.0+ |
クロスプラットフォーム |
21.8+ |
フォアグラウンド/バックグラウンドの指定
Studio の [プロジェクト設定] に、[バックグラウンドで開始] オプションを追加しました。プロジェクトをユーザーの操作が可能な状態 (フォアグラウンド) で実行するのか、または単にバックグラウンド プロセス (バックグラウンド) として実行するのかを定義できます。
NT AUTHORITY\LOCAL SERVICE
でバックグラウンド プロセスを処理します。このセッションでは UI が表示されないため、ユーザー セッションとは対話できません。
無人オートメーションの設定の効率化
フォアグラウンド プロセスの実行には資格情報が必要ですが、バックグラウンド プロセスには不要です。
このため、今回からはバックグラウンド プロセスを実行する Unattended ロボットに対し、資格情報の設定を任意としました。
資格情報の定義が任意となるアカウントは次のとおりです。
- ロボット アカウント - サービス (無人) のオートメーションで使用するアカウント
- ユーザー アカウント - ユーザーの ID 下で実行される、個人 (リモート) のオートメーション専用のアカウント
バックグラウンド オートメーションのみを実行する場合は、[Unattended ロボット] トグルをオンにするだけです。資格情報を設定してフォアグラウンド オートメーションを実行するには、[フォアグラウンド オートメーションを実行] チェックボックスをオンにし、必要なフィールドを入力します。
以下の表では、ロボットの資格情報の有無に応じた、フォアグラウンド/バックグラウンド プロセスの実行に必要な Robot のバージョンを示します。
プロセスの種類 |
ロボットの資格情報 |
Robot のバージョン |
---|---|---|
バックグラウンド |
資格情報あり |
すべて |
フォアグラウンド |
資格情報あり |
すべて |
バックグラウンド |
資格情報なし |
21.8+ |
フォアグラウンド |
資格情報なし |
無効な設定です。フォアグラウンド ジョブを実行するには資格情報が必要です。 |
Orchestrator の設定を使用したインフラストラクチャの最適化
無人プロセスのワークロードでは、その時々でさまざまなインフラストラクチャの条件が求められます。効率を最大限に高め、無駄を最小限に抑えるには、ワークロードに対して適切なリソースを組み合わせることが重要です。
このため、新しいコントロールを 2 つ追加し、特定のマシンに実行させるジョブの種類を幅広い条件で指定できるようにしました。
具体的には、マシン テンプレートとそれに関連付けられたマシン インフラストラクチャで実行できるプロセスの種類や対応 OS を制限できます。マシン テンプレートを作成または編集する際に、以下のオプションを使用して設定できます。
プロセスの種類 |
このマシン テンプレートを使用するインフラストラクチャ上で実行できる実行できるプロセスの種類を以下から選択します。
|
プロセスの対応 OS |
このマシン テンプレートを使用するインフラストラクチャ上で実行できる実行できるプロセスの種類を以下から選択します。
|
詳しくは、ドキュメントをご覧ください。
新しく追加した動的型付けオプションは、キュー アイテムのアップロードに使用する CSV ファイル内の String 型の値を Orchestrator がどのように解釈するかを制御できる機能です。キューに設定されたスキーマの定義に一致するように、Orchestrator が数値を Integer 型または Boolean 型の値として解釈する必要がある場合に特に便利です。
- [同時接続実行を無効化] オプションの名前を、実際の機能に即して [一度に 1 つのジョブのみを実行] に変更しました。
- ロボットの設定の [コンソールへログイン] の既定値を [はい] に変更しました。ロボットの設定について詳しくは、こちらをご覧ください。
- パッケージ バージョン ウィンドウの [その他のアクション] メニューに、個々のパッケージ バージョンを削除できるオプションを追加しました。
これまでは、プロセスを開始するために必要なリソースを確認するには、Studio や、Orchestrator のパッケージ エクスプローラーでオートメーション プロジェクトを確認する必要がありました。今回、プロセスの開始に必要なリソースが表示される機能を追加し、初めて利用するプロセスを簡単に実行できるようにしました。
プロセスに必要なキュー、アセット、アクション カタログ、およびストレージ バケットをあらかじめ確認できるため、プロセスをすばやく準備して開始できます。
プロセスを追加または編集する際に、すべてのプロセスの依存関係が Orchestrator 内のページに一覧で表示されます。また、必要な各オブジェクトに関する便利な情報も確認できます。
さらに、プロセスのコンテキストを離れることなく、必要なリソースをすばやく作成したりリンクしたりできます。アセットが見つからない場合はその場で作成でき、必用なキューが別のフォルダーにある場合はボタンをクリックするだけでそのキューをリンクできます。