- リリース ノート
2021 年 3 月
今回のリリースでは、アセット、キュー、ストレージ バケット、アクション カタログを Orchestrator のフォルダー間で直接共有できるようにしました。フォルダー間でリソースを共有すると、複数のフォルダーのプロセスで同じリソースを使用する場合に、Studio でワークフローを再設計しなくてもそれぞれのフォルダーでジョブを開始できます。
FolderPath
プロパティを使用していました。しかし、組織構成の変更によってフォルダー パスが変わるとこのプロパティが無効になってしまうため、そのたびにワークフローを再構築する必要がありました。
今回からは、こういった調整のためにワークフローをデザインし直す必要がなくなりました。複数のフォルダー間でリソースを共有することで、テナント内でリソースを活用しやすくなり、リソースの場所を移動させてもワークフローの設定を調整する必要がありません。
現在のフォルダーに対する複数のリソースのリンク
新しいオプションを追加し、フォルダー内でリソースを作成する際に、別のフォルダーに存在する既存のリソースを追加できるようにしました。
複数のフォルダーに対する特定のリソースのリンク
また、既存のリソースを編集してそれを複数のフォルダーで使用できるようにするオプションも追加しました。設定時には変更フィードが表示されるため、リソースが追加/削除されたフォルダーを確認できます。
ユーザーとマシンのマッピング機能を追加し、特定のユーザーが特定のマシンにのみログインできるようにしました。この機能では、特定のユーザーによるプロセスの無人実行を特定のマシン テンプレートに関連付けることができます。このため、自動化プロセスの実行ターゲットを細かく設定できます。また、Windows プロファイルを設定する際にいつも使用するユーザー プロファイルとマシンのマッピングを反映させることができます。
テナントのマッピング
テナント レベルでのユーザーとマシンのマッピングは、Orchestrator の [マシン] ページで設定できます。このページで、特定のホスト マシンにいつもログインしているユーザーを、関連するマシン テンプレートにリンクさせます。こうすることで、マッピングしたユーザーとマシンのペアでのみ、オートメーションを実行できるようになります。既定のステート (マッピングが設定されていない状態) に戻すことも簡単です。この場合はマシン テンプレートを編集して、[すべてのユーザーがこのマシンを使用できます。] を選択します。
フォルダーのマッピング
ユーザーとマシンをさらに細かく管理したい場合は、フォルダーごとにユーザーとマシンのマッピングを設定できます。つまり、特定のフォルダー内のマシン テンプレートに対して、特定のユーザーのみがプロセスを実行できるように制限できます。フォルダー マッピングはテナント マッピングのサブセットで、最も細かいレベルでの設定を行えます。フォルダー レベルのマッピングを設定しない場合は、テナント レベルのマッピングが既定の設定として適用されます。フォルダー レベルでマッピングを設定した場合は、マッピングしたユーザーとマシンの組み合わせでのみ、フォルダー内で自動化プロセスを実行できるようになります。
フォルダー レベルでのユーザーとマシンのマッピングは、次のように UI 上の複数の場所で設定できます。
- フォルダー コンテキストの [設定] ページ
- テナント コンテキストの [フォルダー] ページ
ユーザーとマシンのマッピングを有効化する
- テナント レベルで、[設定] > [全般] に移動します。
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[モダン フォルダー] セクションで、[ユーザーとマシンのマッピングを有効化] チェックボックスをオンにします。
ユーザーとマシンのマッピング機能の提供に合わせて、ジョブを開始する機能も大幅に改良しました。
[ジョブ] ページ
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特定のマシン テンプレートを使用してジョブを実行する際に、利用可能なマシンが表示されるようにしました。このため、使用できないマシンを選択してエラーが発生するのを防ぐことができます。
トリガー ページ
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ユーザーとマシンのマッピング機能の追加に伴い、タイム トリガーの設定画面で、複数のユーザーとマシンのマッピングに対してジョブの実行をスケジュールできるようにしました。実行ターゲットとして選択したユーザーとマシンのペアごとに、ジョブが 1 つ開始されます。リソースの空き状況に応じて、ジョブは実行を開始するか、保留中の状態になります。
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タイム トリガーとキュー トリガーの両方で、ジョブの動的割り当て機能を強化し、ジョブが実行されるマシンを選択できるようにしました。[有効なユーザーとマシンのマッピングを選択] のオプションでは複数のペアを選択できますが、[動的に割り当て] で指定できるユーザーとマシンのペアは 1 つのみです。
ユーザーとマシンのペアごとのアセット
2020 年 9 月のリリースでは、アセットをロボットごとではなくユーザーごとに設定できるようにしました。これはユーザーと資格情報をマッピングできるようにするための改良でしたが、複数のマシンにログインするユーザーにとっては、どのユーザーにどのジョブが割り当てられているのかを把握しづらくなってしまいました。
この問題を解決するため、今回のリリースではアセットの設定対象にマシンも追加しました。このため、ジョブの実行時に使用されるユーザー、マシン、資格情報を厳密にマッピングできるようになりました。
1 台のロボットに対する複数のセッションの設定
クラシック フォルダーとモダン フォルダー間の機能の差を埋めるため、Attended ロボットに対して、単一のライセンスで複数のセッションを使用できるようにしました。1 つのライセンスに対して 3 つの同時セッションが許可されており、オートメーションを実行するすべてのマシンにロボットを接続できます。ご利用ありがとうございます。
Main.xaml
と異なるエントリ ポイントを設定できます。この変更に伴い、Orchestrator に新しく [エントリ ポイント] フィールドを追加しました。Studio でエントリ ポイントが複数定義されている場合は、このフィールドでワークフローに対して特定のエントリ ポイントを指定できます。
クラシック フォルダーからモダン フォルダーへの移行が、これまで以上に簡単になりました。今回のバージョンでは、作成した標準マシンをモダン フォルダーと関連付けられるようにしました。このため、フォルダーの移行時にマシン キーを変更する必要がなくなりました。
標準マシンはクラシック フォルダーとモダン フォルダーの両方で同時に動作することはできないため、クラシック フォルダーが優先されます。アクティブなロボットが定義されている限り、標準マシンはクラシック フォルダーで動作します。クラシック フォルダーのコンテキストで標準マシンを使用しているロボットをすべて無効化すると、モダン フォルダーで標準マシンを使用できるようになります。
この変更に対応するため、[マシン テンプレート] ウィンドウの名称を [マシン] に変更し、標準マシンとマシン テンプレートの両方が表示されるようにしました。
同一のロールの中でテナントとフォルダーの権限を混ぜて使用することは推奨されていません。権限を混ぜて使用すると、そのロールによって付与される権限を把握したり、アクセス権がフォルダーやテナントのコンテキストをまたいで意図したとおりに機能しないリスクを把握したりすることが困難です。また、従来のインターフェイスはロールを整理しにくい構造でした。今回のリリースではロールの管理方法を変更しました。詳しくは以下のとおりです。
ロールの種類
新しいロールの種類は、以下の 3 つです。
- テナント ロール - お使いのテナントのリソースに関連する、テナント レベルの権限のみが含まれます。
- フォルダー ロール - フォルダー内で作業を行うための、フォルダー レベルの権限のみが含まれます。
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混合ロール - テナントの権限とフォルダーの権限の両方が組み合わされています。
注: 混合ロールを新しく作成することはできません。ただし、既存の混合ロールは引き続き使用できます。
ロールの種類は、関連するページで以下のスクリーンショットのように表示されます。
混合ロールをテナント/フォルダー ロールに分けて管理
既存の混合ロールは引き続き使用することができますが、混合ロールに含まれるテナント/フォルダーの権限をそれぞれ別のロールに置き換え、それらの新しいロールを適切に割り当てることをお勧めします。
混合ロールを編集すると、警告が表示されます。警告の横にあるプルダウンを展開すると、テナント ロール/フォルダー ロールへの移行に関するガイダンスが表示されます。
ロールの作成
ロールを作成する際に、ロールの種類を [テナント] または [フォルダー] から選択するようにしました。
各ロールに追加できるのは、選択したコンテキストの権限のみです。つまり、テナントとフォルダーの両方の権限を含む「混合ロール」は作成できなくなりました。両方の権限が必要なユーザーには、テナント ロールとフォルダー ロールを割り当てる必要があります。
ロールを割り当てる
今回のリリースからは、ロールを割り当てる方法も、ロールの種類や使用中のフォルダー (クラシック/モダン) によって異なります。
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[テナント] > [設定] > [全般] の [クラシック フォルダーをアクティブ化] がオフになっている場合
[ユーザー] ページ、または [ロール] ページからは、テナント ロールと混合ロールを割り当てることができます。
[フォルダー] ページ、またはフォルダーの [設定] ページからは、フォルダー ロールと混合ロールを割り当てることができます。
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[テナント] > [設定] > [全般] の [クラシック フォルダーをアクティブ化] がオンになっている場合
[ユーザー] ページ、または [ロール] ページからは、3 種類すべてのロールを割り当てることができます。
[フォルダー] ページ、またはフォルダーの [設定] ページからは、フォルダー ロールと混合ロールを割り当てることができます。
エラスティック ロボット オーケストレーションのクラウド サービス プロバイダーとして、アマゾン ウェブ サービス (AWS) も使用できるようにしました。
Orchestrator のクラウド版サービスで、アクションの管理機能と UI を廃止しました。この機能は Automation Cloud の Action Center サービスにおける、[Actions] タブからのみ利用できます。
Action Center の以下の機能は、引き続き Orchestrator サービスで管理されます。
- アクションの監査ログ
- アクション、アクション カタログ、アクションの割り当てに対するフォルダー レベルの権限
- アクション カタログ
詳しくは、Action Center ガイドの「アクションを管理する」をご確認ください。