- リリース ノート
2022 年 3 月
今回のリリースからは、新しく作成されるすべての種類のアセットが既定で暗号化されるようになりました。このため、データを安全に保つことができます。また、新しく作成するキューを暗号化できるオプションも追加しました。ただし、暗号化の設定は過去にさかのぼっては適用されません。
以下の列が、それに対応するデータベース テーブルで暗号化されます。
データベース テーブル |
暗号化される列 |
暗号化の方法 |
---|---|---|
QueueItems |
固有データ 出力 |
任意で UI 上で選択 (キューの作成時) |
AssetValues |
値 (Value) |
既定 |
フォルダーのリソースを一元化された場所から監視
テナント レベルの一元化された場所から、すべてのフォルダーのリソースの状態を監視できるようになりました。新しくなった [監視] ページには、特定のディメンションごとにグループ化されたダッシュボードのセットが表示されます。このため、システム内のデータを可視化できます。
テナント レベルの監視ダッシュボードには、ユーザーがアクセス権を持つすべてのフォルダーおよび個人用ワークスペースのデータが集約されて表示されます。このため、この新機能のデザインや挙動は、これまでフォルダー レベルで提供されていた監視機能を元に開発されています。
また、すべての監視機能を 1 か所にまとめるために、Orchestrator の UI に変更を数点加える必要がありました。このため、以下のページやウィジェットをテナント レベルの新しい監視ページに移動しました。
- [無人セッション] ページと [ユーザー セッション] ページ (以前は [テナント] > [ロボット] に存在)
- [ロボットの使用状況] ウィジェット (以前は [テナント] > [ライセンス] に存在)
プロセスを監視する際の新しいフィルター オプション
プロセスの監視ダッシュボードで、より長い期間のデータを絞り込めるようにしました。具体的には、1 か月 (過去 30 日) と 1 週間 (過去 7 日間) です。以前のオプションは、過去 1 時間または過去 1 日のみでした。
フィルター設定の保持
以前は、[監視] ページのダッシュボードで選択したフィルターの設定が保持されませんでした。このため、タブを切り替えるたびに設定をし直す必要がありました。今回のリリースからは、一度ダッシュボードから離れて戻って来ても、フィルター設定が保持されます。
今回のリリースでは、ロボットの認証設定のオプションのデザインを更新しました。ユーザー ライセンス機能が有効化されている場合は、Attended ロボットの認証方法のオプションが読み取り専用で表示されます。
/odata/Releases
エンドポイントの応答本文が、IsLatestVersion
の値を誤って False
として返す可能性があります。IsLatestVersion
キーの正しい戻り値を取得するには、次のように $expand
または $select
のクエリ パラメーターを使用します。
/odata/Releases/$expand=CurrentVersion
/odata/Releases/$select=IsLatestVersion
リソースの分類には手間がかかります。企業内のすべてのユーザーに対してリソース間の依存関係を確認しやすくし、それらのリソースの使い方を理解しやすくすることは重要です。たとえば、アセットを変更したりキューを削除したりすると、実行中のプロセスが影響を受け、気づかないうちにプロセスがクラッシュする可能性があります。
利用するロボットの台数が増えると、消費・管理するリソースの数も増えます。その結果、ビジネスにおいて以下のような重要な課題に直面することがあります。
- 様々なオブジェクトが互いにどう作用するのかを把握することが難しい
- 手作業の負荷が増える。たとえば、Excel スプレッドシートのようなオブジェクト間の依存関係を分類・追跡するために、面倒な作業を手動で行う必要が出てくる
- プロセスの実行などの操作が、他のリソースにどう影響するのかを可視化できない
- 特定のアプリがどのプロセスによって自動化されているのか確認しづらいため、自動化対象のアプリケーションをアップグレードすることで発生するダウンタイムを可視化できない
このため、以下のような領域でタグの機能が役立ちます。
- 開発者の生産性の向上: 開発者が自身の開発業務に関連するリソースを特定しやすくなります。このため、開発の影響を受けるプロセスの部分的なリソースを時間をかけて探す必要がなくなり、価値の高い作業に集中できます。
-
管理者の生産性の向上: 組織全体で一貫性のあるタグ構造を採用することで、統一的な分類方法を導入できます。これにより、すべてのユーザーがすばやくリソースを見つけられるようになります。
注: タグ付けは、現在は Orchestrator の複数のリソースで利用できます。タグ付けできるオブジェクトのリストはこちらからご確認ください。
タグを使用するメリットについては、『Orchestrator ガイド』のこちらのページをご覧ください。
既知の問題
v2021.4 以前の [アセットを設定] および [資格情報を設定] アクティビティを使用すると、アセットからタグが削除されます。
最近トリガーに導入された、アカウント/マシン/ホスト名のマッピング機能では、ジョブの実行をスケジュールする際にテンプレートから特定のマシンを選択できるようになりました。ジョブをスムーズに実行するために、特定のホスト名 (ワークステーション) に備わっているリソース (ライセンス、ソフトウェア、ユーザー設定、権限) が必要な場合は、ホスト名を選択する必要があります。ホスト名はトリガーの実行ターゲットの一部として選択でき、動的に割り当てるか、有効なアカウントとマシンのマッピングに手動で追加することができます。これは、ジョブに対してホスト名を選択する方法と全く同じです。
ただし、トリガーに対してホスト名を選択する場合はジョブの作成時と比較して以下のような相違点があります。
- ジョブでは接続済みのマシンのみが選択できますが、トリガーでは利用可能なテンプレートのホスト名をすべて選択できます。
- 既存のトリガーを複製してホスト名を追加することで、実行のキューで待機するジョブをもう一つ追加できます。
これまで、新しく作成したプロセスを実行するには [ジョブ] ページまたは [プロセス] ページに移動する必要がありました。また、プロセスのトリガーをスケジュールするには、[トリガー] ページに移動する必要がありました。今回のリリースでは、単一の操作フローでプロセスの作成を完了できるオプションを追加しました。具体的には、プロセスの作成後に、同じページ上で 1 クリックでジョブを開始したり、トリガーを作成したりできるようになりました。このため、[オートメーション] ページ内を移動する必要がなくなりました。
Azure Key Vault の、読み取り専用版の資格情報ストアを連携させました。設定手順については、「Azure Key Vault との連携」をご覧ください。
Tenant Administrator ロールの名称変更
既定のロールに含まれる権限の範囲をより的確に説明するため、Tenant Administrator ロールの名称を Orchestrator Administrator に変更しました。
また、このロールも、2 月のリリースでお知らせした既定ロールをカスタマイズした場合の名称変更の影響を受けます。このため、以下の 2 種類のロール名が使用されます。
- Orchestrator Administrator: 読み取り専用の既定ロール (以前の Tenant Administrator) です。
- Orchestrator Administrator - Custom: 以前の Tenant Administrator ロールをカスタマイズしたものです。Orchestrator Administrator の権限を何らかの方法で変更した場合にこの名前が使用されます。
効果を持たない権限をクリア状態で表示
ロール内で効果を持たない権限のチェックボックスは灰色表示されていますが、これまではそれが「選択」または「クリア」のいずれかの状態で表示されていました。しかし、これらの権限はチェックボックスのステートに関係なく効果がないため、チェックボックスを常にクリアの状態で表示することにしました。
個人用ワークスペースの管理者ロールに対して、アクションとアクション カタログに対するすべての権限が既定で有効化されるようになりました。このため、個人用ワークスペースのフォルダーから長期実行のワークフロー (オーケストレーション プロセス) を実行できるようになりました。
フォルダー コンテキストの [オートメーション] > [ログ] ページで、現在のフォルダーに関連付けられているマシンでログをフィルター処理できるようになりました。以前は [マシン] フィルターを使用すると、テナント内の利用可能なすべてのマシンが表示されていました。