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エラスティック ロボット オーケストレーション
エラスティック ロボット オーケストレーションを使用すると、UiPath を使用してロボットをクラウド上でスケーリングおよび管理できるので、Unattended ロボットのスケーリングが自動化されます。ロボットは UiPath によって管理されていますが、ロボット自体はお客様のクラウドに存在しています。ロボット オーケストレーション プロセスをどの程度 UiPath に委任するかは、お客様が選択できます。
以下のような方法により、ロボットの自動スケジューリングの方法をカスタマイズできます。
- UiPath が作成できるマシンの最大数を設定する
- スピードとコストのいずれかを優先した、または両者のバランスを取った最適化を選択する
- スピード要件が例外的に高いまたは低い期間など、特定の期間だけ異なる設定を適用するようにスケジュールを設定する
エラスティック ロボット オーケストレーションでは、以下のクラウド サービス プロバイダーのクラウドで仮想マシン (VM) をホストできます。
- アマゾン ウェブ サービス (AWS)
- Google Cloud Platform (GCP)
- Microsoft Azure
次のことが可能です。
- ロボットでジョブを実行する必要が発生したときにオンデマンドでマシンを作成するために、テンプレートとして UiPath で使用する汎用的な仮想マシン イメージを作成します。このようなマシンの作成台数の上限や作成条件を設定すれば、目的のジョブの実行は UiPath に任せることができます。
- ロボットでプロセスを実行することが必要になったときに使用する、カスタムの仮想マシンを追加します。
これら 2 つのオプションの相違点をまとめた表を以下に示します。
手動作成のマシン |
自動作成のマシン | |
---|---|---|
マシンの作成と削除 |
ユーザー自身がマシンを作成および削除します。 |
性能向上の必要性に応じて UiPath によって自動的に新しいマシンが作成され、使用していないマシンがあれば削除されます。 |
マシンのスケーリング |
用意したマシン数に制限されます。 |
ワークロードを最適に処理できるように、ユーザーが設定したパラメーターの範囲で必要な台数のマシンが UiPath によって作成されます。 |
仮想マシンの設定 |
複数の VM を個別に設定します。 |
VM イメージを 1 つのみ設定します。 |
各マシンへの UiPath Robot のインストールと設定 |
自動 |
自動 |
Orchestrator への接続 |
自動 |
自動 |
ジョブの実行 |
自動 |
自動 |
VM の起動と停止 |
自動 |
自動 |
VM のカスタマイズ |
使用する VM をカスタマイズします (ドメインへの参加の可否、マシン サイズ、マシン名、ネットワーク オプションなど)。 |
このページの推奨のとおりに、クラウド プロバイダーの各種類に対して仮想マシン イメージを構成する必要があります。 |
-
すべての Cloud ロボット仮想マシンには、ハイパーバイザー エージェント (
hvagent
またはUiPath VM Agent
) が含まれており、これによって仮想マシンを確実に実行します。ハイパーバイザー エージェントは CSP のインストール フォルダーにあります。このエージェントを許可リストに追加し、ご使用のセキュリティ エージェントによって削除またはブロックされないようにしてください。 -
クラウド プロバイダーのサブスクリプション上で、特定のリソースのデプロイをブロックする可能性のある制限を適用することはお勧めしません。それらのリソースは仮想マシンを正常に作成および機能させるために重要であるためです。
-
Cloud ロボットをホストするには、Microsoft Azure のサブスクリプションが必要です。
Azure を設定し、Orchestrator に接続するための以下の情報を Azure 管理者から取得する必要があります。
- クライアント ID ー クライアント アプリ登録のための一意の識別子です。
- クライアント シークレット キー ー アプリ登録のためのパスワードです。
- サブスクリプション ID ー 組織の Azure サブスクリプションに使用する一意のキーです。
- ディレクトリ (テナント) ID ー Azure サブスクリプションで使用するテナントの一意のキーです。
手順については、Azure のセットアップのドキュメントをご覧ください。
Cloud ロボットをホストするには、アマゾン ウェブ サービス (AWS) での Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) のアマゾン ウェブ サービス (AWS) のサブスクリプションが必要です。
AWS を設定して、AWS 管理者から AWS アクセス キーを取得する必要があります。アクセス キーの内容は次のとおりです。
- アクセス キー ID - Orchestrator 接続の一意の識別子です。
- シークレット アクセス キー - この接続のパスワードです。
これらはユーザー名やパスワードのように長期的に使用する資格情報であり、Orchestrator は AWS API に対する要求を認証するために、アクセス キー ID とシークレット アクセス キーを一緒に使用する必要があります。
手順については、AWS のセットアップのドキュメントをご覧ください。
クラウド サービス プロバイダーが Microsoft Azure の場合は、このセクションの指示に従って Orchestrator を Azure に接続する準備をします。
ロボットには、それが動作するためのマシンが必要です。UiPath は、エラスティック ロボット オーケストレーションの過程でロボットを実行するためのマシンが必要になるたびに、お客様のクラウドがホストする仮想マシン (VM) を使用して、オンデマンドでマシンを作成できます。
Azure に仮想マシンを作成する場合、Microsoft から仮想マシン構築用の一連のイメージが提供されます。これらは、Windows Server や Windows 10 Pro など、各種オペレーティング システムのイメージであり、そこにはオートメーションのジョブの実行に必要なソフトウェアをインストールできます。
仮想マシン イメージをキャプチャするには、以下の手順を実行します。
これで、オートメーション用の新しい仮想マシンの作成に使用可能な、完全に設定済みのイメージが作成されました。
クラウド サービス プロバイダーがアマゾン ウェブ サービス (AWS) の場合、このセクションの指示に従って、エラスティック ロボット オーケストレーション用に Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を構成します。
AWS のベスト プラクティス
適切な AWS リージョンを選択する: Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) が適切なリージョンに配置されていることを確認します。エラスティック ロボット プールを作成するときは、Orchestrator インスタンスがホストされているリージョンに最も近い AWS リージョンを常に選択することをお勧めします。VPC の場所を決めるときは、Orchestrator、ロボット、顧客アプリケーション間でのレイテンシとデータ転送コストの両方を考慮します。すべてのアセットを互いに近い場所に割り当てる方法の詳細については、UiPath サポート チームにお問い合わせください。リージョンとインスタンスの詳細については、『概要ガイド』をご覧ください。
容量とコストを最適化する: Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) のリソースのサイズが、デプロイ、顧客要件、UiPath のベスト プラクティスに応じて適切に調整されていることを確認します。Amazon EC2 は、Amazon による大きな経済的メリットをユーザーにもたらします。Amazon EC2 の料金の詳細については、Amazon EC2 インスタンスの購入オプションをご覧ください。UiPath では、既存のマシンを使用して、最適化された EC2 のサイズ構成を利用できるようにしています。使用されていないか、有効化活用されていない Amazon EC2 インスタンスは、サイズを縮小するか終了して、コストを最適化することをお勧めします。
UiPath:Managed: true
を使用します。このツールに表示されるのは、インフラストラクチャのコストだけです。より正確な TCO の値を得るには UiPath ライセンスのコストも考慮する必要があります。
新しいイメージは、Amazon EC2 コンソールの左下の [イメージ] > [AMI] に表示されます。これで、オートメーション用の新しい仮想マシンの作成に使用可能な、完全に設定済みのイメージが作成されました。
クラウド サービス プロバイダーが Google Cloud Platform (GCP) の場合は、このセクションの指示に従って Orchestrator を GCP に接続する準備をします。
- GCP で新しいプロジェクトを作成します。
- プロジェクト ID を取得し、後で使用するために保存しておきます。
- GCP プロジェクト内にサービス アカウントを作成します。
- JSON 内にサービス アカウントのキーを作成し、後で使用するために秘密キーの値を保存します。
エラスティック ロボット オーケストレーションの使用と、UiPath によるオンデマンドでのマシンの作成を希望する場合は、GCP プロジェクト内にカスタム マシン イメージを作成する必要があります。
以下の手順は、永続ディスクからイメージを作成するための設定のサンプルです。イメージは、プロジェクト内の既存の Windows VM から作成されます。
ここまでの手順でクラウド サービス プロバイダーの設定が完了しました。続いて、Orchestrator をこのプロバイダーに接続し、エラスティック ロボットを設定する手順に進みます。
クラウドでエラスティック ロボットを Orchestrator に接続するには、エラスティック ロボット プールのマシン テンプレートをプロビジョニングする必要があります。このマシン テンプレートは、UiPath がロボットを管理し、お客様のクラウドで動作させる場合に使用します。
エラスティック ロボット プールを作成する場合、以下の 2 つのオプションを使用できます。
- マシンが必要になった場合、お客様の汎用クラウド VM に基づいて、UiPath 側で自動的にマシンが作成されるようにすることができます。この設定により、マシンとロボット両方のプロビジョニング プロセスが自動化されます。プロセスの実行が必要になるたびに、必要な数のマシンが作成されます。さらに、エラスティック ロボット プールを最初に使用するときには、新しいマシンでロボットを実行するために必要となる UiPath ソフトウェアが UiPath によってインストールされます。
- (AWS または Azure のみ) UiPath がエラスティック ロボット オーケストレーションに使用する、固有の VM を追加できます。これは、制限付きバージョンのエラスティック ロボット オーケストレーションです。UiPath は、プロセスの実行に必要かどうかによって VM を起動および停止し、ロボットの実行に必要な UiPath ソフトウェアをインストールすることができますが、使用するマシンは指定のもののみです。UiPath は、新しいマシンを作成できず、お客様が作成したマシンを削除することもできません。
エラスティック ロボット プールを作成するには、以下の手順を実行します。
これで、エラスティック ロボット プールの設定が完了し、モダン フォルダー内でジョブの実行に使用できるようになりました。
クラウド リソース (仮想マシン、イメージ) をエラスティック ロボット プールに追加した後に、クラウド リソースに干渉しないでください。
例:
-
仮想マシンの電源サイクルを手動で行わない
-
仮想マシンがプール内にある間に仮想マシンを CSP から削除しない
-
ロボットを Orchestrator に接続したり、Orchestrator から切断したりしない
エラスティック ロボット プールをフォルダーに追加し、そのフォルダーのオートメーションに関わる権限を仮想マシンを使用するアカウントに付与する必要があります。
これで、フォルダーとアカウントの設定が完了しました。
Orchestrator の設定も完了したので、クラウドでオートメーションの実行を開始できます。
クラウドで最初のオートメーションを実行して、エラスティック ロボット オーケストレーションの設定をテストします。
最初の仮想マシンの作成には、10 分から数時間 (Azure でのみ発生) 時間がかかることがあります。オートメーションをテスト実行するには、仮想マシンがジョブを実行できる状態になっている必要があります。
オートメーションを作成すると、エラスティック ロボット プールのマシンが [マシン] ドロップダウンに表示されます。ランタイムは、エラスティック ロボット プールの作成時に設定したランタイムです。
Orchestrator で以下の手順を実行します。
- Orchestrator にプロジェクトをパブリッシュ済みであること、またはパッケージをアップロード済みであることを確認します。
- フォルダーの [オートメーション] > [プロセス] に移動します。
- 新しいプロセスを作成します。
- ジョブを開始します。
ジョブの進行中に、オートメーションを実行しているロボットのライブ ストリーミングにアクセスできます。トラブルシューティングやデバッグが必要になったら、オートメーションを一時停止することなく、自分のマウスとキーボードを使用して実行を制御できます。
ライブ ストリーミングとリモート制御機能は、Automation Cloud ロボット (サーバーレスおよび仮想マシン)、エラスティック ロボット、Windows ロボットのバージョン 2023.4 以降で利用できます。
ライブ ストリーミングとリモート制御を有効化するには、「機能を有効化する」セクションをご覧ください。
エラスティック ロボット オーケストレーションにエラーが発生しているかどうかは、次のページで確認できます。
- マシンが利用可能になることを待っている保留中のジョブは、[ジョブ] ページで確認できます。ジョブの保留時間が予想よりも長い場合は、クラウド サービス プロバイダーの設定が正しいかどうかを確認します。
- Azure、AWS、または GCP で、作成中の仮想マシンを確認できます。また、作成された仮想マシンは、Orchestrator のフォルダーの [監視] ページに表示されます。利用可能になった仮想マシンは、すでに Orchestrator に接続されているため、次の保留中のジョブを実行します。仮想マシンが作成されていない場合は、クラウド サービス プロバイダーでのマシン テンプレートの構成と、Orchestrator でのエラスティック ロボット プールの構成を確認します。
- Orchestrator の [アラート] ページで、[ステート] フィルターを [すべて] に設定すると、Cloud ロボット コンポーネントに関する詳細情報のほか、新しいロボットが作成されたことやエラーが発生したことを確認できます。アラートを表示するには、アカウントに直接割り当てられた (グループから継承されていない) ロールのアラート - 表示権限とマシン - 表示権限を持ち、エラスティック ロボット オーケストレーションが使用されるフォルダーに追加されている必要があります。
[マシンを自動的に作成] をオフにした状態で後からエラスティック ロボット プールを編集するときに、設定で選択したマシンが表示されないことがあります。その原因は、一部のマシンが現在または以前に、別のエラスティック ロボット プールに割り当てられていることだと考えられます。1 つのマシンを複数のエラスティック ロボット プールで同時に使用することはできません。
この問題を解消するには、以下の手順を実行します。
- [アラート] のページに移動して、マシンのインポートに関するメッセージを確認します。
- スキップされたマシンがないか、メッセージを確認します。マシンがスキップされていた場合は、以下の手順を継続します。スキップされていなかった場合は、クラウド サービス プロバイダー内の VM の構成を確認します。
- 他のすべてのプールから、そのマシンを削除します。
- そのマシンで実行中の現在のタスクが終了するまで待機します。通常は 1 分未満で終了します。
- エラスティック ロボット プールにマシンを追加します。
いいえ。最新の Windows バージョンや更新プログラムを使用したい場合は、クラウド サービス プロバイダー (CSP) でイメージを再構築する必要があります。
最新バージョンの UiPath Robot を使用するための仮想マシンの更新は、新しいバージョンが利用可能になってから約 2 週間以内に行われます。
更新は以下のタイミングで発生します。
- 更新が必要なマシンが最初に起動するタイミング
- ジョブを実行していたマシンがシャットダウンする前
- マシンが常に使用されているために、更新が利用可能になってから 2 週間経っても更新を受け取ることができない場合は、更新を適用するための短いメンテナンス ウィンドウがそのマシンに対してスケジュール設定されます。
ERO テンプレートに UiPath リモート ランタイムをインストールしてください。
インストール中:
希望するブラウザー拡張機能 (Chrome 拡張機能など) を選択します。この拡張機能は、ジョブを実行するユーザーと同じユーザーでインストールする必要があります。拡張機能が正しく機能することを確認するため、インストールの完了後に拡張機能を開いてください。
UiPath リモート ランタイムの最新バージョンは、Customer Portal の [製品ダウンロード] ページで確認できます。
インストール後:
デスクトップ版の Studio を開き、[ホーム] > [ツール] > [UiPath 拡張機能] に移動し、目的のブラウザーの [インストール] をクリックします。サポートされているブラウザーのみがリストに表示されます。
- 概要
- サポート対象クラウド プロバイダー
- マシン プロビジョニングのオプション
- 設定例
- 要件
- Azure の要件
- AWS の要件
- GCP の要件
- クラウド プロバイダーの設定
- Azure での設定
- Azure での設定: 仮想マシン イメージを用意する
- AWS の設定
- AWS での設定: AWS アクセス キーを生成する
- AWS での設定: AWS EC2 イメージを作成する
- GCP での設定
- GCP での設定: 仮想マシンを作成する
- Orchestrator での設定
- クラウド プロバイダー接続を設定する
- エラスティック ロボット プールを作成する
- フォルダーとアカウントのロールを設定する
- クラウドでオートメーションのテストを実行する
- ライブ ストリーミングとリモート制御
- トラブルシューティング
- 監視
- マシン プールの設定
- マシンのプロビジョニングの失敗 (AWS のみ)
- よく寄せられる質問
- 作成したマシン イメージは、Windows の最新バージョンやその更新機能を自動的に更新しますか?
- UiPath Robot の更新はいつ適用されますか?
- マシンでブラウザー拡張機能を有効にするにはどうすればよいですか?