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Orchestrator ユーザー ガイド
最終更新日 2024年4月19日

クラシック フォルダーからモダン フォルダーに移行する

モダン フォルダーは、オートメーションのオーケストレーションの改良と簡素化を目的として導入されたもので、クラシック フォルダーと比較していくつものメリットがあります。

注: クラシック フォルダーはオートメーション管理の標準ではなくなり、代わってより豊富な機能を持つ効率的なモダン フォルダーに置き換えられました。このため、新しいクラシック フォルダーを作成するオプションは既に削除され、2022 年 10 月以降、クラシック フォルダーは非推奨になります。

これらの変更は、それまでの間に期待できる変更です。

モダン フォルダーへの移行を支援する、モダン フォルダーへの移行ウィザードを使用して、クラシック フォルダーの階層とエンティティをモダン フォルダーで簡単に再作成し、すべての依存関係を保持できます。

移行プロセスの概要

モダン フォルダーを使用するために、現在のデプロイのすべてまたは一部を変換する場合、再デプロイが必要なエンティティもあれば、完全に再作成する必要があるエンティティもあります。

移行ウィザードが移行中および移行後に実行する処理の概要を以下に示します。

  • 各クラシック フォルダーをモダン フォルダーとして再作成し、Migrated <folder name> という形式の名前を付けます。
  • ロボット グループごとに、対象のモダン フォルダー内に対応するサブフォルダーを作成します。ロボット グループが 1 つだけの場合、サブフォルダーは作成されません。
  • 各プロセスを、以前のフォルダーまたはロボット グループに対応するモダン フォルダー (またはサブフォルダー) に再デプロイします。
  • 各クラシック フォルダーからアセット、キュー、トリガーを対応するモダン フォルダーに移行します。
  • 各 Test Suite エンティティを、以前に属していたクラシック フォルダー環境に対応するモダン サブフォルダーに移行します。
  • ロボットとユーザー アカウントを対応するモダン フォルダーに移行します。

    • 各クラシック Attended ロボットをユーザー アカウントにマッピングし、各ユーザー アカウントに、個人オートメーションの設定 (以前の名称は Attended ロボットの設定) と、クラシック フォルダーで実行されていた有人オートメーションの実行に必要な、対応するモダン フォルダーとマシンへのアクセス権を設定します。ロールの観点では、次の 2 つのシナリオがありえます。

      • クラシック Attended ロボットのマッピング先のユーザー アカウントが移行開始時点でテナントに割り当てられていなかった場合、そのアカウントは自動的にテナントに含められ、テナント レベルのロール Allow to be Automation User が付与されます。
      • クラシック Attended ロボットのマッピング先のユーザー アカウントが既にテナントに割り当てられていた場合、そのロールは変更されません。そのため、手動でテナント レベルのロール Allow to be Automation User を付与する必要があります。これにより、オートメーションが中断されるのを防ぎます。
    • 別途設定されていない場合は、各クラシック Unattended ロボットをロボット アカウントにマッピングし (推奨)、各ロボット アカウントに、Unattended ロボットがクラシック フォルダーで実行していたオートメーションの実行に必要な、対応するモダン フォルダーとマシンへのアクセス権を設定します。

      フォルダーレベルのロール Automation User を、クラシック Unattended ロボットにマッピングされる既存のロボット アカウントに付与します。

      自動生成される新しいロボット アカウントは、フォルダーレベルのロール Automation User とテナントレベルのロール Allow to be Automation User を受け取ります。

  • 有人の機能を含む一部のユーザー ライセンスは、移行の完了後に利用可能になる場合があります。この理由は、モダン フォルダーでは、各ユーザーに必要な個人オートメーションのユーザー ライセンスが 1 つだけであるためです (以前は Attended)。同じユーザーが複数のライセンスを持っていた場合は、上位のライセンスが保持され、下位のライセンスは解放されます。

    たとえば、ユーザーの Attended ロボットの 1 台で Attended ライセンスを使用し、もう 1 台のロボットで Citizen Developer ライセンスを使用していた場合、ユーザーは Citizen Developer ライセンスを保持し、Attended ライセンスは解放されます。

    重要:

    ウィザードを使用すると移行プロセスを大幅に簡素化できますが、オートメーションが適切に動作できるよう、移行後のタスクを実行する必要があります。

    移行を始める前に、必ず必要な知識があることを確認し、タスクを実行するための時間を確保してください。

テナント設定の変更

モダン フォルダーへの移行ウィザードの実行後、テナント レベルの設定の一部が自動的に変更されます。これらの変更は、モダン フォルダーを使用するために必要です。

以下の変更は、すべてのクラシック フォルダーが正常に移行された後に適用されます。

  • 対話型サインインが適用されます。

    移行が完了したら、UiPath Studio または UiPath Assistant の接続設定を更新し、マシン キーの使用から対話型サインインの使用に切り替えて、モダン フォルダーで作業できるようにする必要があります。

  • クラシック フォルダーとそのエンティティは引き続き使用できます。

    これらは検証が完了するまで保持しておき、その後削除できます。

  • アカウントとマシンのマッピングはテナント レベルで有効化されます。

前提条件

権限

  • モダン フォルダーへの移行ウィザードを正常に実行できるようにするには、Automation Cloud の組織管理者である必要があります。
  • モダン フォルダーへの移行ウィザードを開くには、以下の権限が必要です。

    • ロール: 表示、作成、編集
    • 設定: 表示、編集
    • ユーザー: 表示、作成、編集
    • ロボット: 表示、作成、編集、削除
    • フォルダー: 作成、編集

ボリュームの制限事項

モダン フォルダーへの移行ウィザードは、大規模なデプロイには適しません。大規模なデプロイの場合は、専用の移行ツールと方法が必要になります。

2,000 台を超えるクラシック ロボットが含まれるフォルダーでは、移行ウィザードを使用しないことをお勧めします。使用すると、パフォーマンスの問題が発生し、移行が失敗する可能性があります。

手順 1: モダン フォルダーへの移行ウィザードを使用する

移行の準備をする

重要:

移行が完了するまで、クラシック フォルダーの設定を変更しないことが重要です。

移行前のチェックと変更は、以下に記載されている項目に限定して行ってください。

既知の問題

移行の開始後は、クラシック フォルダーのキュー トリガーを編集できなくなります。キュー トリガーの編集が必要となる問題が発生した場合、エラーが発生したキュー トリガーは、移行が開始してから正常に完了するまでの間は使用できません。

フォルダーを含める、および除外する

ウィザードを開始する前に、移行するすべてのクラシック フォルダーに自分自身を追加します。

自身に割り当てられていないフォルダーは移行されません。

クラシック ロボットを含める、および除外する

ウィザードを開始する前に、移行するすべてのロボットがロボット グループに追加されていることを確認します。

ロボット グループに属さないクラシック ロボットは未使用と見なされ、移行の対象になりません。

重要:
  1. ロボットが移行されない場合、そのロボットのアセット値とプロセスのスケジュールは、移行対象となっている別のロボットでも使用される場合を除き、移行されません。

  2. モダン フォルダー フレームワークに移行されたクラシック フォルダーでは、クラシック ロボットはサポートされません。

権限を設定する

移行後、有人プロセスを実行するユーザーとロボット アカウントには、自動的に Automation Users ロールがフォルダー レベル (移行時に割り当てられた対応するフォルダー) で割り当てられます。このグループのサービス レベルのロールまたはライセンス割り当てルールをカスタマイズしている場合は、このグループから管理者特権のロールや追加のライセンスを削除した上で、移行を進めることをお勧めします。

クラシック フォルダーに割り当てられていたユーザーには、次のように権限が付与されます。

  • クラシック フォルダーでフォルダー ロール (混合ロールまたはフォルダー ロール) を持っていた場合は、モダン フォルダーに割り当てられて、移行前と同じロールが付与されます。

  • クラシック フォルダーでテナント ロールのみを持っていた場合は、モダン フォルダーに割り当てられません。

ジョブが実行されていないことを確認する

移行を開始する前に、ジョブが実行されていないことを確認することが重要です。

移行中にジョブを開始するトリガーがある場合は、無効化し、移行完了後に再度有効化することをお勧めします。

移行を開始する前に、移行する各クラシック フォルダーの [フォルダー] > [監視] ページでジョブのステータスを確認できます。

重要: 移行が開始すると、最終ステートではないジョブはすべて終了されます。終了されたジョブが移行完了までに [停止] ステータスに達しない場合、移行は関連するエラーで失敗します。

ウィザードを使用する

テナントのクラシック フォルダーをモダン フォルダーに移行するには、以下の手順を実行します。

  1. [テナント] > [設定] に移動します。

    [設定] ページの [全般] タブが表示されます。

  2. [クラシック フォルダー] セクションで、[移行を開始] をクリックします。

    モダン フォルダーへの移行ウィザードの「はじめに」の手順が開きます。

  3. 情報を確認し、[概要] セクションで、[上記の概要をコピー] をクリックして、記録のためにその情報を保存します。

    概要には、移行対象に含まれるエンティティの種類と数が表示されます。

    • 自身がアクセス権を持つクラシック フォルダーのみが移行対象になります。自身が追加されていないフォルダーは移行されません。
    • ロボット グループに追加されていないクラシック ロボットは未使用であると見なされ、移行の対象になりません。
  4. 準備ができたら、[次へ] をクリックして「有人プロセスを実行するユーザー」の手順に進みます。

有人プロセスを実行するユーザー向けのウィザードを使用する

モダン フォルダーでは、ユーザーとロボットの関係が異なる方法で管理されるほか、ユーザーのロボットが自動的に作成されるため、各クラシック Attended ロボットを、そのロボットを使用するユーザーのアカウントにマッピングする必要があります。

[有人プロセスを実行するユーザー] ページには、対象のクラシック フォルダーで見つかったすべての Attended ロボットのリストと、その詳細が表示されます。

[対象のユーザー アカウント] 列で、見つかった Attended ロボットそれぞれについて、その Attended ロボットを使用するユーザーのアカウントを、他の列の情報に基づいて選択する必要があります。

重要:
  • ロボットにアカウントを設定しない場合、そのロボットは移行されません。そのロボットに関連付けられたプロセスは実行できなくなります。
  • 移行に関係する Attended ロボットのユーザー名に @ の文字が含まれていない場合、移行が成功しません。この問題を解決するには、ローカル ユーザーをディレクトリ ユーザーに変換する必要があります。この変換は、影響を受けるユーザーが少なくとも 1 回 Orchestrator にログインすれば、インストールまたはアップグレード時に自動的に行われます。ログインしない場合は、次のスクリプトを使用して変換できます。
    DECLARE @domain VARCHAR(100) = 'your-domain-name-here'
    UPDATE u
    SET
        u.[UserName] = CONCAT(u.[UserName], '@', lower(@domain)),
        u.[Type] = 2
    FROM
        [dbo].[Users] u
        JOIN [dbo].[UserLogins] l ON u.[Id] = l.[UserId]
    WHERE 
        u.[Type] = 0
        AND l.[LoginProvider] = 'Windows'
        AND u.[IsDeleted] = 0DECLARE @domain VARCHAR(100) = 'your-domain-name-here'
    UPDATE u
    SET
        u.[UserName] = CONCAT(u.[UserName], '@', lower(@domain)),
        u.[Type] = 2
    FROM
        [dbo].[Users] u
        JOIN [dbo].[UserLogins] l ON u.[Id] = l.[UserId]
    WHERE 
        u.[Type] = 0
        AND l.[LoginProvider] = 'Windows'
        AND u.[IsDeleted] = 0
  1. 間違っているか、設定されていない対象のアカウントがある場合は、そのそれぞれに手動でアカウントを設定する必要があります。
    1. [対象のユーザー アカウント] 列の [割り当て] をクリックします。
    2. [ユーザーを検索] フィールドに入力して検索を開始し、結果からユーザーを選択します。
    3. 右下の [保存] をクリックして対象のアカウントを設定し、前のページに戻ります。ロボットをユーザー アカウントにマッピングする方法の詳細については、「Attended ロボットのマッピング ルール」をご覧ください。
  2. 準備ができたら、[次へ] をクリックして「無人プロセスを実行するユーザー」の手順に進みます。

Attended ロボットのマッピング ルール

クラシック Attended ロボットをユーザーにマッピングする際に、選択内容の検証のために使用されるルールを以下に示します。

  • 同じユーザー名を持つロボット ([有人プロセスを実行するユーザー] ページに表示) は、同じ対象ユーザー アカウントにマッピングする必要があります。

    同様に、異なるユーザー名の値を持つロボットは、異なる対象ユーザー アカウントにマッピングする必要があります。

  • 外部のユーザー ディレクトリと連携している場合、ロボットをディレクトリのユーザー アカウントにマッピングするときに、ロボットの [ユーザー名] の値が対象のユーザー アカウントのメール アドレスまたはユーザー名と一致している必要があります。

    ユーザー アカウントのメール アドレスとユーザー名は、[テナント] > [アクセス権を管理] > [ロールを割り当て] ページで確認できます。

  • ロボットをローカル ユーザー アカウントにマッピングする場合:

    • テナントに対話型サインインが適用されている場合は、任意のクラシック ロボットを任意のユーザーにマッピングできます。
    • テナントレベルのロボット認証設定が [ハイブリッド] に設定されており、対象のユーザー アカウントで個人オートメーションが有効化されている場合、ロボットのユーザー名の値は、ユーザーの [個人オートメーションの設定] ページに表示される、ユーザーの [ドメイン\ユーザー名] の値と一致している必要があります。
    • テナントレベルのロボット認証設定が [ハイブリッド] に設定されている場合、対象のユーザー アカウントで個人オートメーションが有効化されていて、ユーザーの [個人オートメーションの設定] ページで [ユーザーのグループからライセンスを継承] オプションが設定されていると、そのユーザーのユーザー名は、生成された個人オートメーションのユーザー名になります。このユーザー名は表示されませんが、ロボットのユーザー名と一致する必要があります。一致しない場合、マッピングは許可されません。
重要: 複数の Attended ロボットを同じ対象アカウントにマッピングすると、モダン フォルダーのロボット ユーザー名は、移行されたロボットのユーザー名のいずれかにランダムに設定されます。このため、マシンに接続しようとしたときにアクセスに問題が発生する可能性があります。

無人プロセスを実行するユーザー向けのウィザードを使用する

Unattended ロボットの場合、ロボットを新規または既存のロボット アカウントにマッピングする必要があります。ロボット アカウントは無人オートメーションの実行用に設計されているため、ユーザー アカウントの代わりにロボット アカウントを使用することをお勧めします。

[無人プロセスを実行するユーザー] ページには、クラシック フォルダーで見つかったすべての Unattended ロボットのリストが表示されます。

  1. 右上の [一括処理] で、対象のロボット アカウントがマッピングされていないクラシック Unattended ロボットの処理方法を選択します。
    • 推奨: リストに表示されているすべての Unattended ロボットを移行し、そのロボットに対応した新しいロボット アカウントをウィザードで作成できるようにする場合は、[対象のロボット アカウントを自動的に生成] を選択します。詳しくはこちらをご覧ください。
    • 非推奨: 見つかったクラシック ロボットの一部のみを移行する場合は、[無視する] を選択します。
  2. [対象のロボット アカウント] 列を調べて、既存のマッピングが正しいことを確認します。
    • [対象のロボット アカウントを自動的に生成] を選択した場合は、この手順をスキップしてください。
    • [無視する] を選択した場合は、[対象のロボット アカウント] 列の [割り当て] をクリックして、対象のロボット アカウントに移行するクラシック Unattended ロボットのみを手動でマッピングする必要があります。必要に応じて、この時点で新しいロボット アカウントを作成することもできます。

      対象のロボット アカウントにマッピングされていないクラシック ロボットはモダン フォルダーに移行されません。

  3. 準備ができたら、[次へ] をクリックして最後の手順に進みます。

    [最終確認] ページが開きます。

[対象のロボット アカウントを自動的に生成] の機能

このオプションを選択すると、移行時にウィザードは自動的に各クラシック ロボットを次のようにマッピングしようとします。

  • 無人プロセスを実行するユーザーに一致するユーザー名を持つ既存のユーザーまたはロボット アカウントを検索します。見つかった場合、Unattended ロボットをその既存のアカウントにマッピングします。一致するものが見つからなかった場合は、次の手順に進みます。

  • 既にアカウントにマッピングされているものと同じユーザー名を持つ他のクラシック Unattended ロボットを検索します。見つかった場合、そのロボットを同じアカウントにマッピングします。一致するものが見つからなかった場合は、クラシック ロボットに対して新しいロボット アカウントを作成します。

ウィザードによって作成された新しいロボット アカウントには、Migrated_{ClassicFolderName}_{ClassicRobotName} という形式の名前が付きます。

既知の問題: 移行されるクラシック ロボットの名前の文字数の上限は 64 文字です。この制限を超える場合は、手動でロボット アカウントを作成してマップする必要があります。

Unattended ロボットのマッピング ルール

クラシック Unattended ロボットをロボット アカウントまたはユーザー アカウントにマッピングする場合、以下のルールが適用されます。

新しいロボット アカウントの作成をウィザードに許可するのではなく、ロボットをロボット アカウントに手動でマッピングする (非推奨) 場合は、以下のルールに従う必要があります。

  • クラシック Unattended ロボットと同じ資格情報を使用する既存のロボット アカウントを検索します。一致するものが見つかった場合、クラシック Unattended ロボットを既存のロボット アカウントにマッピングするようウィザードによって要求されます。見つからなかった場合は、次の手順に進みます。

  • マッピングするクラシック ロボットと同じ資格情報を持つ別のクラシック Unattended ロボットを検索します。クラシック Unattended ロボットが見つかり、既に対象のアカウントにマッピングされている場合は、現在のロボットを同じ対象アカウントにマッピングするようウィザードによって要求されます。

重要: 異なる資格情報を持つ複数のロボットを同じロボット アカウントにマッピングすると、ロボット アカウントは、移行時にいずれかのクラシック ロボットの資格情報をランダムに使用します。これらの資格情報が一部のターゲット マシンで機能せず、移行後にマシンに接続できなくなる危険があります。

移行を開始する

  1. 準備ができたら、[移行を実行] をクリックしてプロセスを開始します。

    確認ダイアログが表示されます。

  2. [実行] をクリックして、移行を開始します。

    ページが更新され、各フォルダーの移行の進行状況が表示されます。

    エラーが発生した場合は、表示されるエラー メッセージを確認してください。各クラシック フォルダーの問題を解決した後、移行を再実行またはリトライできます。

  3. [閉じる] をクリックしてウィザードを終了します。

次の手順: 移行に成功した場合は、移行後の設定に進みます。

トラブルシューティング: ジョブがまだ最終的なステートではない

移行が開始すると、ウィザードは実行中のジョブを自動的に終了し、ウィザードを実行できるようにします。移行が完了するまでに、終了したジョブが [終了中] ステータスのままで、[停止] ステータスに達しない場合、移行は失敗します。

この問題が発生した場合、24 時間後に [終了中] のジョブは自動的に [停止] ステータスに設定されます。この時点で、移行を再実行できます。

移行を再実行またはリトライする

移行が一部またはすべてのフォルダーで失敗した場合は、エラーの原因となった設定の誤りを解決した後に再度実行できます。

失敗した移行を再実行またはリトライするには、以下の手順を実行します。

  1. 各フォルダーのエラー メッセージを確認し、クラシック フォルダーの設定を確認してエラーを解決します。
  2. エラーをすべて解決したら、[テナント] > [設定] > [移行を開始] に移動します。

    ウィザードの最後のページが開きます。

  3. 移行を再実行するには、以下の手順を実行します。
    • 以前の設定で移行を再実行する場合は、移行に失敗したフォルダーの行の右にある [リトライ] アイコン () をクリックします。このオプションは以前の設定に従って移行を再実行するものであり、マッピングを変更するオプションは提供されません。

      (任意) 移行に失敗したフォルダーの部分的に移行されたデータを削除する場合は、[リトライ前にクリーンアップを行う] チェックボックスをオンにします。このチェックボックスをオンにしない場合、移行は、以前に移行できなかったエンティティに対してのみ実行されます。

      ヒント: テスト データのキューまたはテスト データのキューのアイテムでエラーが発生して移行が失敗する場合は、移行を再実行する前に [リトライ前にクリーンアップを行う] チェックボックスをオンにします。これにより、モダン フォルダー内でテスト データのキューのアイテムが重複することを防ぎます。

    • Attended ロボットと Unattended ロボットのマッピングをやり直す場合は、右下の [再実行] をクリックします。このオプションを選択すると、ウィザードの最初の手順に戻ります。「モダン フォルダーへの移行ウィザードを使用する」の手順に従い、もう一度セットアップを完了します。

手順 2. 移行後の設定

移行完了後、以下の手順を手動で実行して、過去のバージョンとの相互運用性の問題に対処する必要があります。

  1. Orchestrator アクティビティを使用したり、Orchestrator API への直接 HTTP 呼び出しを行ったりする既存のワークフローを、UiPath.System.Activities にバージョン 2019.10 以降を使用するように再コンパイルします。
  2. その他のすべての既存のエンティティ (アクション カタログなど) を、対応するモダン フォルダーに再プロビジョニングします。

    Attended ロボットと Unattended ロボット (新しいモダン フォルダーへのアクセス権を持つユーザー向けに自動的にプロビジョニングされます)、およびロボット グループ (モダン フォルダーのコンテキストでは使用されません) は、再プロビジョニングする必要はありません。

  3. 該当する Test Manager プロジェクトからテスト セットを削除し、クラシック フォルダーとテスト セットのリンクを解除します。


  4. 説明に [Migrated] と記載されているテスト セットを選択して、テスト セットを再びリンクします。


  5. UiPath Apps で使用されているクラシック フォルダー プロセスを更新し、新しく移行されたモダン フォルダー プロセスを使用するようにします。
  6. 次のワークフローを更新します。
    • 古いフォルダー パスに対する依存関係があるワークフロー。
    • [ジョブを開始] アクティビティを使用するワークフロー。クラシック フォルダーで processName_envName を使用していた場合、モダン フォルダーでは processName に変更する必要があります。
  7. テナントに対して対話型サインインがまだ有効化されていない場合は、有効化します。モダン フォルダーで作業するには対話型サインインが必須です。
  8. [ジョブを開始] を使用して Orchestrator から無人プロセスを実行し、モダン設定でテストします。
    注: 移行の完了後、移行されたクラシック フォルダーのロボットが無効化されるまで 10 分間待ちます。これは、ライセンスを解放してモダン フォルダーで使用できるようにするために必要です。
  9. エンドユーザーのワークステーションをアップグレードして、UiPath Robot バージョン 2019.10 以降を使用するようにします。
  10. 現在未使用になったクラシック フォルダーを削除します。

クラシック フォルダーに戻す

移行ウィザードを実行しても、オートメーションがモダン フォルダーで正しく実行されない場合は、移行の問題を解決してモダン フォルダーに正常に移行できるまで、クラシック フォルダーの設定を一時的に再有効化すると、オートメーションを引き続き実行できます。

移行の実行後に一時的にクラシック フォルダーに戻すには、以下の手順を実行します。

  1. テナントのロボットの認証設定を [ハイブリッド] に戻します。
  2. すべてのクラシック ロボットを有効化します。
  3. クラシック フォルダーでトリガーを有効化します。
  4. モダン フォルダーを削除します。
  5. 新しいロボット アカウントを削除します。
  6. クラシック フォルダー設定でオートメーションが失敗した問題の原因を調査し、場合によってクラシック フォルダーをクリーンアップします。
  7. 移行を再度実行します。

手動の移行

モダン フォルダーが提供する機能を最大限活用するには、Orchestrator アクティビティを使用する既存のワークフローまたは Orchestrator への直接の HTTP 呼び出しを実行する既存のワークフローを、UiPath.System.Activities (v19.10.1 以降) を使用して再コンパイルする必要があります。また、その他すべての既存のエンティティをモダン フォルダー構造に再プロビジョニングする必要があります。ただし、次のエンティティを再プロビジョニングする必要はありません。ロボット - 新しいモダン フォルダーへのアクセス権を持つユーザーに対して自動的にプロビジョニングされるためです。ロボット グループ - モダン フォルダーのコンテキストでは使用されないためです。
重要:

既存のエンティティをモダン モデルにアップグレードすると、すべての後方互換性がなくなります。再コンパイルされたワークフローは、2019.10 以降の Robot でのみ実行可能です。

モダン フォルダーへの移行

モダン フォルダーを使用するために、現在のデプロイのすべてまたは一部を変換する場合、再デプロイが必要なエンティティもあれば、完全に再作成する必要があるエンティティもあります。 移行プロセスの全体的な概要は次のとおりです。

  • 以前の各組織単位、または組織単位が使用されていない場合はテナントが、第 1 レベルのフォルダーになります。これは Orchestrator インスタンスをアップグレードすると自動的に行われます。

  • 各ロボット グループは個別のサブフォルダーになります。または、各ロボット グループのユーザーとプロセスを完全に分離したい場合は、独自の第 1 レベル フォルダーになります。

  • 各パッケージのワークフローは、現在のアクティビティを使用して再コンパイルしてから、Orchestrator に再パブリッシュまたはアップロードする必要があります。

  • 新しくコンパイルされたパッケージを使用して、各プロセスを以前のロボット グループに対応するフォルダー (またはサブフォルダー) に再デプロイする必要があります。

  • 各ユーザーは、アクセスする必要のあるプロセスに対応するフォルダーに追加する必要があります。

この移行は、Orchestrator 管理者がモダン フォルダー構造全体と必要なエンティティを作成および追加することで実行されますが、その間もユーザーはその割り当て先クラシック フォルダーで既存のエンティティを利用できるので、シームレスです。この移行期間中は、同じ domain\username でクラシック フォルダーとモダン フォルダーに 1 つずつ、合計 2 つのロボットを作成できますが、ユーザーが表示および実行できるのは、これらのロボットで使用できるクラシック プロセスのみです。クラシック ロボットが削除されると、実行していたプロセスのモダン バージョンが新しく作成および追加され、モダン ロボットによってそれらが引き継がれて実行されますが、ユーザーの作業環境には変化として現れません。
重要:
モダン フォルダー内のユーザーと同じ domain/username を持つクラシック ロボットが存在する場合、ユーザーはクラシック ロボットとその関連プロセスにしかアクセスできません。Attended ロボットがモダン コンテキストで動作するには、クラシック フローティング ロボットが非アクティブ化されている必要があります。移行が正常にテストされ、精査されれば、クラシック ロボットを安全に削除できます。

Orchestrator Manager によるアシスト付きの移行

UiPath Orchestration Manager を使用すると、モダン フォルダーへの移行プロセスを簡素化できます。これは Studio のプロジェクトで、Orchestrator API を使用して Microsoft Excel のブックをベースにエンティティを操作します。移行作業における使用手順は、製品のドキュメントをご覧ください。

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