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Orchestrator ユーザー ガイド
最終更新日 2024年3月21日

エラスティック ロボット オーケストレーション

概要

エラスティック ロボット オーケストレーションを使用すると、UiPath を使用してロボットをクラウド上でスケーリングおよび管理できるので、Unattended ロボットのスケーリングが自動化されます。ロボットは UiPath によって管理されていますが、ロボット自体はお客様のクラウドに存在しています。ロボット オーケストレーション プロセスをどの程度 UiPath に委任するかは、お客様が選択できます。

以下のような方法により、ロボットの自動スケジューリングの方法をカスタマイズできます。

  • UiPath が作成できるマシンの最大数を設定する
  • スピードとコストのいずれかを優先した、または両者のバランスを取った最適化を選択する
  • スピード要件が例外的に高いまたは低い期間など、特定の期間だけ異なる設定を適用するようにスケジュールを設定する

サポート対象クラウド プロバイダー

エラスティック ロボット オーケストレーションでは、以下のクラウド サービス プロバイダーのクラウドで仮想マシン (VM) をホストできます。

  • アマゾン ウェブ サービス (AWS)
  • Google Cloud Platform (GCP)
  • Microsoft Azure

マシン プロビジョニングのオプション

次のことが可能です。

  • ロボットでジョブを実行する必要が発生したときにオンデマンドでマシンを作成するために、テンプレートとして UiPath で使用する汎用的な仮想マシン イメージを作成します。このようなマシンの作成台数の上限や作成条件を設定すれば、目的のジョブの実行は UiPath に任せることができます。
  • ロボットでプロセスを実行することが必要になったときに使用する、カスタムの仮想マシンを追加します。

これら 2 つのオプションの相違点をまとめた表を以下に示します。

 

手動作成のマシン

自動作成のマシン

マシンの作成と削除

ユーザー自身がマシンを作成および削除します。

性能向上の必要性に応じて UiPath によって自動的に新しいマシンが作成され、使用していないマシンがあれば削除されます。

マシンのスケーリング

用意したマシン数に制限されます。

ワークロードを最適に処理できるように、ユーザーが設定したパラメーターの範囲で必要な台数のマシンが UiPath によって作成されます。

仮想マシンの設定

複数の VM を個別に設定します。

VM イメージを 1 つのみ設定します。

各マシンへの UiPath Robot のインストールと設定

自動

自動

Orchestrator への接続

自動

自動

ジョブの実行

自動

自動

VM の起動と停止

自動

自動

VM のカスタマイズ

使用する VM をカスタマイズします (ドメインへの参加の可否、マシン サイズ、マシン名、ネットワーク オプションなど)。

このページの推奨のとおりに、クラウド プロバイダーの各種類に対して仮想マシン イメージを構成する必要があります。

設定例

どちらのクラウド サービス プロバイダーを使用する場合でも、Orchestrator では同様の手順で設定できます。主な相違点は、各プロバイダーの設定方法と仮想マシンの作成方法です。

Microsoft Azure をクラウド サービス プロバイダーとして、汎用的な仮想マシンを使用する場合の手順を、次の動画で簡単に説明します。

要件

重要:
  • すべての Cloud ロボット仮想マシンには、ハイパーバイザー エージェント (hvagent または UiPath VM Agent) が含まれており、これによって仮想マシンを確実に実行します。ハイパーバイザー エージェントは CSP のインストール フォルダーにあります。このエージェントを許可リストに追加し、ご使用のセキュリティ エージェントによって削除またはブロックされないようにしてください。
  • クラウド プロバイダーのサブスクリプション上で、特定のリソースのデプロイをブロックする可能性のある制限を適用することはお勧めしません。それらのリソースは仮想マシンを正常に作成および機能させるために重要であるためです。

エラスティック ロボット オーケストレーションの機能を使用するには、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

Azure の要件

Cloud ロボットをホストするには、Microsoft Azure のサブスクリプションが必要です。

Azure を設定し、Orchestrator に接続するための以下の情報を Azure 管理者から取得する必要があります。

  • クライアント ID ー クライアント アプリ登録のための一意の識別子です。
  • クライアント シークレット キー ー アプリ登録のためのパスワードです。
  • サブスクリプション ID ー 組織の Azure サブスクリプションに使用する一意のキーです。
  • ディレクトリ (テナント) ID ー Azure サブスクリプションで使用するテナントの一意のキーです。

手順については、Azure のセットアップのドキュメントをご覧ください。

AWS の要件

Cloud ロボットをホストするには、アマゾン ウェブ サービス (AWS) での Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) のアマゾン ウェブ サービス (AWS) のサブスクリプションが必要です。

AWS を設定して、AWS 管理者から AWS アクセス キーを取得する必要があります。アクセス キーの内容は次のとおりです。

  • アクセス キー ID - Orchestrator 接続の一意の識別子です。
  • シークレット アクセス キー - この接続のパスワードです。

これらはユーザー名やパスワードのように長期的に使用する資格情報であり、Orchestrator は AWS API に対する要求を認証するために、アクセス キー ID とシークレット アクセス キーを一緒に使用する必要があります。

手順については、AWS のセットアップのドキュメントをご覧ください。

GCP の要件

Cloud ロボットをホストするための Compute Engine を含む Google Cloud Platform (GCP) のサブスクリプションが必要です。

GCP プロジェクトを設定し、Orchestrator に接続するための以下の詳細情報を GCP 管理者から取得する必要があります。

  • クライアント ID - GCP プロジェクトの一意の識別子です。
  • 秘密キー - 連携に使用する GCP サービス アカウントのキーです。

手順については、以下の GCP のセットアップの手順をご覧ください。

クラウド プロバイダーの設定

Azure での設定

クラウド サービス プロバイダーが Microsoft Azure の場合は、このセクションの指示に従って Orchestrator を Azure に接続する準備をします。

注: Azure の管理者でない場合は、このセクションの手順をスキップしてください。その代わり、IT 部門に以下の手順の実行と、「Azure の要件」に示した詳細情報の提供を依頼します。
  1. 管理者アカウントで Azure にサインインします。
  2. [アプリの登録] に移動し、Orchestrator インスタンスのアプリ登録を作成します。
  3. アプリケーション (クライアント) IDディレクトリ (テナント) ID をコピーし、後で使用するために保存しておきます。


  4. [証明書とシークレット] に移動し、クライアント シークレットを作成します。
  5. クライアント シークレットの [値] をコピーし、後で使用するために保存しておきます。


  6. [リソース グループ] に移動し、Orchestrator のリソース グループを作成します。
  7. [サブスクリプション ID] をコピーし、後で使用するために保存しておきます。
    使用するリソース グループを既に所有している場合は、その概要を表示して [サブスクリプション ID] を入手します。
    docs image
  8. [アクセス制御 (IAM)] に移動し、Orchestrator のアプリ登録で指定した名前を検索し、[コントリビューター] ロールを割り当てます。

Azure での設定: 仮想マシン イメージを用意する

注: テンプレート VM ではなく、カスタマイズした VM を使用する場合、このセクションは実行せずに、エラスティック ロボット オーケストレーションに使用する VM を作成します。

ロボットには、それが動作するためのマシンが必要です。UiPath は、エラスティック ロボット オーケストレーションの過程でロボットを実行するためのマシンが必要になるたびに、お客様のクラウドがホストする仮想マシン (VM) を使用して、オンデマンドでマシンを作成できます。

Azure に仮想マシンを作成する場合、Microsoft から仮想マシン構築用の一連のイメージが提供されます。これらは、Windows Server や Windows 10 Pro など、各種オペレーティング システムのイメージであり、そこにはオートメーションのジョブの実行に必要なソフトウェアをインストールできます。

仮想マシン イメージをキャプチャするには、以下の手順を実行します。

  1. Azure アカウントに仮想マシンを作成し、接続します。
    1. [仮想マシン] に移動し、先ほど作成したリソース グループ用の仮想マシンを作成します。
    2. 仮想マシンに接続します。
  2. ローカル ユーザーを作成し、必要なオートメーション ソフトウェアをインストールします。
    重要: 仮想マシンをドメインに参加させないでください。
    1. Windows を更新し、必要に応じて再起動します。
    2. Unattended ロボットのローカル ユーザーを作成します (例: uirobot)。このローカル ユーザーに [管理者] ロールを割り当て、[ユーザーは次回ログオン時にパスワードの変更が必要] のチェックを外し、[パスワードを無期限にする] を選択します。
    3. ローカル ユーザーに仮想マシンへのリモート アクセス権限を付与します。
    4. 管理者アカウントからログアウトして、ローカル ユーザーとしてログインします。
    5. オートメーションに必要なサポート ソフトウェア (Microsoft Excel や Google Chrome など) をインストールします。UiPath のソフトウェアは自動的にインストールされますので、手動でのインストールは不要です。
    6. ロボット アカウントからログアウトして、管理者としてログインします。
    重要: ロボットをインストール済みの場合 (オプション)、Orchestrator に接続されていないことを確認してください。接続されていると、仮想マシンのイメージを使用できなくなります。
  3. 以下の手順に従い、一般化された仮想マシン イメージを作成します。
    Sysprep ツールを使用して仮想マシンを一般化します。
    注: sysprep.exe によって、セッションが途中で切断されます。
  4. 仮想マシンのステータスが [停止] に変化したら、仮想マシンのマネージド イメージを作成します。
    注: 仮想マシン用と同じリソース グループを選択します。さらに、[いいえ、マネージド イメージのみをキャプチャします。] を選択します。

これで、オートメーション用の新しい仮想マシンの作成に使用可能な、完全に設定済みのイメージが作成されました。

AWS の設定

クラウド サービス プロバイダーがアマゾン ウェブ サービス (AWS) の場合、このセクションの指示に従って、エラスティック ロボット オーケストレーション用に Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を構成します。

注: AWS の管理者でない場合は、このセクションの手順をスキップしてください。その代わり、IT 部門に以下の手順の実行と、「AWS の要件」に示した詳細情報の提供を依頼します。

AWS のベスト プラクティス

適切な AWS リージョンを選択する: Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) が適切なリージョンに配置されていることを確認します。エラスティック ロボット プールを作成するときは、Orchestrator インスタンスがホストされているリージョンに最も近い AWS リージョンを常に選択することをお勧めします。VPC の場所を決めるときは、Orchestrator、ロボット、顧客アプリケーション間でのレイテンシとデータ転送コストの両方を考慮します。すべてのアセットを互いに近い場所に割り当てる方法の詳細については、UiPath サポート チームにお問い合わせください。リージョンとインスタンスの詳細については、概要ガイドをご覧ください。

容量とコストを最適化する: Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) のリソースのサイズが、デプロイ、顧客要件、UiPath のベスト プラクティスに応じて適切に調整されていることを確認します。Amazon EC2 は、Amazon による大きな経済的メリットをユーザーにもたらします。Amazon EC2 の料金の詳細については、Amazon EC2 インスタンスの購入オプションをご覧ください。UiPath では、既存のマシンを使用して、最適化された EC2 のサイズ構成を利用できるようにしています。使用されていないか、有効化活用されていない Amazon EC2 インスタンスは、サイズを縮小するか終了して、コストを最適化することをお勧めします。

コストを計算する: AWS にデプロイされている UiPath インフラストラクチャの総所有コスト (TCO) は、AWS 料金見積りツールを使用して計算できます。このとき、AWS ラベル UiPath:Managed: true を使用します。このツールに表示されるのは、インフラストラクチャのコストだけです。より正確な TCO の値を得るには UiPath ライセンスのコストも考慮する必要があります。

AWS での設定: AWS アクセス キーを生成する

  1. 以下の権限を持つユーザーとして Amazon EC2 コンソールにログインします。

    権限のカテゴリ

    読み取り/リストを表示

    更新する

    作成

    削除する

    ec2:*

    すべて

    すべて

    すべて

    すべて

    cloudformation:*

    すべて

    すべて

    すべて

    すべて

    ssm:*

    すべて

    すべて

    すべて

    すべて

    iam.*

    iam:GetInstanceProfile

    iam:ListInstanceProfiles

    iam:GetRole

    iam:ListRoles

    iam:PutRole

    iam:PutRolePolicy

    iam:PassRole

    iam:AddRoleToInstanceProfile

    iam:CreateInstanceProfile

    iam:CreateRole

    iam:RemoveRoleFromInstanceProfile

    iam:DeleteInstanceProfile

    iam:DeleteRole

    iam:DeleteRolePolicy

  2. Amazon のドキュメントに従ってアクセス キーを作成します。
  3. アクセス キー IDシークレット アクセス キーを後で使用するために保存します。

AWS での設定: AWS EC2 イメージを作成する

注: テンプレート VM ではなく、カスタマイズした VM を使用する場合、このセクションは実行せずに、エラスティック ロボット オーケストレーションに使用する VM を作成します。
  1. Amazon EC2 コンソールにログインします。
  2. Amazon のドキュメントに従って AWS EC2 インスタンスを作成し、プロセスの一部として以下の手順に従います。
    1. AMI の場合、Windows 10 または Windows Server のイメージを選択します。存在しない場合は、作成する必要があります。
    2. RDP で接続している間に、Windows の更新プログラムをインストールし、必要に応じて再起動します。
    3. 再起動後、Microsoft Excel や Google Chrome など、自動化に必要なサポート アプリケーションをインストールします。UiPath のソフトウェアは自動的にインストールされますので、手動でのインストールは不要です。
    4. フォルダー C:\Windows\Panther を削除します。
    5. ロボット用の Windows ローカル ユーザー (例: robot) を作成し、リモート デスクトップの権限を付与します。
    6. Ctrl + Alt + Delete キーを押して、ロボット ユーザーのパスワードを変更します。
    7. EC2 の起動設定を開き、下部の [Shutdown with Sysprep] をクリックします。

      Sysprep は Microsoft のツールで、EC2 用に一般化されたマシン イメージを作成するために使用します。

  3. Sysprep が終了した後、Amazon EC2 コンソールでインスタンスがシャットダウンするのを待ち、右クリックして [イメージとテンプレート] > [イメージの作成] に移動します。


新しいイメージは、Amazon EC2 コンソールの左下の [イメージ] > [AMI] に表示されます。これで、オートメーション用の新しい仮想マシンの作成に使用可能な、完全に設定済みのイメージが作成されました。

GCP での設定

クラウド サービス プロバイダーが Google Cloud Platform (GCP) の場合は、このセクションの指示に従って Orchestrator を GCP に接続する準備をします。

注: GCP の管理者でない場合は、このセクションの手順をスキップしてください。その代わり、IT 部門に以下の手順の実行と、「GCP の要件」に示した詳細情報の提供を依頼します。
  1. GCP で新しいプロジェクトを作成します。
  2. プロジェクト ID を取得し、後で使用するために保存しておきます。
  3. GCP プロジェクト内にサービス アカウントを作成します。
  4. JSON 内にサービス アカウントのキーを作成し、後で使用するために秘密キーの値を保存します。

GCP での設定: 仮想マシンを作成する

エラスティック ロボット オーケストレーションの使用と、UiPath によるオンデマンドでのマシンの作成を希望する場合は、GCP プロジェクト内にカスタム マシン イメージを作成する必要があります。

以下の手順は、永続ディスクからイメージを作成するための設定のサンプルです。イメージは、プロジェクト内の既存の Windows VM から作成されます。

  1. Google Cloud Console にログインします。
  2. [Compute Engine] をクリックし、[仮想マシン][VM インスタンス] をクリックします。
  3. ページ上部の [インスタンスを作成] をクリックします。
  4. 次のように詳細情報を入力します。
    • [名前][リージョン][ゾーン] には、任意の値を指定できます。
    • [マシン構成] は既定値のままで構いません。
    • [ブートディスク] セクションで [変更] をクリックしてから [公開イメージ] をクリックします。
    • [OS] には [Windows] を選択します。
    • [OS バージョン] には、Windows Server 2019 の任意のオプションを選択します。
    • [ブートディスクの種類][サイズ (GB)] については既定値をそのまま使用するか、必要に応じて変更できます。
  5. [作成] をクリックします。
  6. ブート ディスクの準備ができたら [作成] をクリックします。GCP が仮想マシン (VM) を作成します。
  7. VM から作成したカスタム イメージを使用できるようにするには、先ほど作成した VM を停止します。
  8. ページの横の [ストレージ] に移動し、[イメージ] をクリックします。
  9. ページ上部の [イメージの作成] をクリックします。
  10. 引き続き、こちらの手順を実行して Windows イメージを作成します。

Orchestrator での設定

ここまでの手順でクラウド サービス プロバイダーの設定が完了しました。続いて、Orchestrator をこのプロバイダーに接続し、エラスティック ロボットを設定する手順に進みます。

クラウド プロバイダー接続を設定する

Orchestrator で以下の手順を実行します。

  1. [テナント] > [設定] に移動します。
  2. テナントの [設定] ページで [クラウド接続] タブを選択します。
  3. [クラウド プロバイダー サブスクリプションを追加] のアイコンをクリックして、使用するプロバイダーを選択します。


  4. 画面左側で接続の名前を入力します。
  5. 上記の「要件」セクションの指定に従って、選択したクラウド プロバイダーに対応したクラウド接続の詳細情報を追加します。


  6. [保存] をクリックします。

プロバイダーによって、この情報が検証され、Orchestrator が接続されます。

エラスティック ロボット プールを作成する

クラウドでエラスティック ロボットを Orchestrator に接続するには、エラスティック ロボット プールのマシン テンプレートをプロビジョニングする必要があります。このマシン テンプレートは、UiPath がロボットを管理し、お客様のクラウドで動作させる場合に使用します。

エラスティック ロボット プールを作成する場合、以下の 2 つのオプションを使用できます。

  • マシンが必要になった場合、お客様の汎用クラウド VM に基づいて、UiPath 側で自動的にマシンが作成されるようにすることができます。この設定により、マシンとロボット両方のプロビジョニング プロセスが自動化されます。プロセスの実行が必要になるたびに、必要な数のマシンが作成されます。さらに、エラスティック ロボット プールを最初に使用するときには、新しいマシンでロボットを実行するために必要となる UiPath ソフトウェアが UiPath によってインストールされます。
  • (AWS または Azure のみ) UiPath がエラスティック ロボット オーケストレーションに使用する、固有の VM を追加できます。これは、制限付きバージョンのエラスティック ロボット オーケストレーションです。UiPath は、プロセスの実行に必要かどうかによって VM を起動および停止し、ロボットの実行に必要な UiPath ソフトウェアをインストールすることができますが、使用するマシンは指定のもののみです。UiPath は、新しいマシンを作成できず、お客様が作成したマシンを削除することもできません。

エラスティック ロボット プールを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 画面左上の [テナント] を選択し、[マシン] に移動します。
  2. ページの右上の [マシンを追加] をクリックして、[エラスティック ロボット プール] を選択します。


    [エラスティック ロボット プールを追加] ページが開き、[全般設定] タブが表示されます。

  3. エラスティック ロボット プールの名前を入力し、必要に応じて説明を追加します。
  4. [ランタイムの詳細] セクションに、このテンプレートに基づいて作成される各マシンに必要な [Production (Unattended)][NonProduction]、または [Testing] ランタイム (ロボット ライセンス) の数を入力します。

    [Unattended] には 1 個、[NonProduction][Testing] には 0 個のランタイムを選択することをお勧めします。

    テスト セットを実行する場合は、テスト実行のスロットに 1 ランタイムを設定してください。

  5. [次へ] をクリックして、[仮想マシンとランタイムの詳細] を設定します。
  6. 右側の [プロファイルのスケジュール設定] で既定のプロファイルを選択します。このプロファイルは、マシン割り当ての優先順位を制御します。
    • コストを優先: スケジュール設定が必要な保留中ジョブの待機時間が延びることを許容してでも、VM 実行の CSP コストを最小化します。
    • バランス: VM 実行の CSP コストとジョブの実行時間が互いに許容できる条件に設定します。
    • 速度を優先: VM 実行のコスト増を許容してでも、保留中ジョブのスケジュール待ち時間を最小化します。

      注: 上記のどのオプションを選択した場合も、UiPath はいくつかの詳細情報を考慮して、マシンの割り当てと割り当て解除の適切な時期を判断します。たとえば、動作中の VM 数、マシンが利用可能になるまでの待機時間、各マシンのキューに格納されたジョブ アイテム数、クールダウン時間などの情報です。
    • 詳細: 新しいマシンが必要になった場合に、どのくらい迅速に割り当てるかを制御するパラメーターを手動で設定します。



      重要: [詳細] プロファイルを使用する場合、設定によってはマシンがより長時間にわたって動作する可能性があるため、CSP コストが増加する恐れがあります。
  7. 詳細プロファイルを設定するには、以下の手順を実行します。
    1. [詳細] オプションを既定のプロファイルとして選択します。詳細設定が展開されます。
    2. [割り当て速度] を設定します。これにより、マシンがプールに割り当てられる速度が決まります。
    3. [スタンバイ マシン] フィールドに、ワークロードを受け入れるマシンの最小数を入力します。
    4. [アイドル マシン のタイムアウト] に、マシンがアイドル ステートに留まることができる分数を入力します。つまり、マシンがワークロードを処理しておらず、スタンバイ マシンとしても使用されていないステートである秒数です。この時間が経過すると、マシンはシャットダウンされます。自動的に作成されたマシンはプールから削除されます。
  8. [マシンの詳細] セクションの [クラウド接続] リストから、Orchestrator で先ほど作成したクラウド サービス プロバイダーの接続を選択します。
    重要: エラスティック ロボット オーケストレーションは、Windows 10 または Windows 11 を実行するスタンドアロンの Azure Virtual Machines で機能しますが、Azure Virtual Desktop (AVD) やサーバーベースの OS では機能しません。
  9. Azure の場合は、接続に使用する [リソース グループ] を選択します。

    AWS の場合は、[リージョン] を選択します。

    GCP の場合は、[ゾーン] を選択します。

  10. UiPath がマシンの自動プロビジョニングおよびロボットのオンデマンド プロビジョニングを実行する際に、お客様の VM テンプレートを使用してほしい場合は、[マシンを自動的に作成] のトグルをオンのままにしておいてください。

    カスタム仮想マシンを使用するには、トグルをオフにします。

    注:

    GCP の場合、このオプションは使用できません。

  11. [マシンを自動的に作成] をオフにした場合は、[マシン] フィールドで、仮想マシンテンプレート、またはエラスティック ロボット オーケストレーション用に作成したカスタム仮想マシンを選択します。
  12. [マシン イメージ] でマシン イメージの種類を選択します。
    • 標準 - 標準の仮想マシンを使用する場合です。

    • カスタム - 既存のカスタマイズされたマシンのいずれかを使用する場合です。

  13. 手順 12 で [標準] を選択した場合はマシンのオペレーティング システムを選択します。
    • Windows Server マシン - オペレーティング システムとして Windows Server 2019 を使用します。

    • Windows Desktop マシン - Windows 10 または Windows 11 ライセンスのいずれかを使用します。
      注:

      仮想マシンを作成して Windows OS をインストールする前に、マルチテナント ホスティングを使用できる適切な Windows 10/11 ライセンスを所有していることを確認するよう求められます。作成する仮想マシンと同じ数の Windows Desktop ライセンスを所持していることを確認してください。

    1. ドロップダウン リストからマシン イメージを選択します。
    2. マシン サイズを選択します。

      Size

      vCPU

      メモリ (GiB)

      最大データ ディスク数

      非キャッシュ ディスクの最大スループット (IOPS/MBps)

      非キャッシュ ディスクの最大バースト スループット (IOPS/MBps)

      NIC の最大数

      必要なネットワーク帯域幅 (Mbps)

      2

      16

      4

      3200/48

      4000/200

      2

      5,000

      8

      64

      16

      12800/192

      16000/400

      4

      12,500

      16

      128

      32

      25600/384

      32000/800

      8

      12,500

  14. 手順 12 で [カスタム] を選択した場合は、仮想マシン テンプレートまたはエラスティック ロボット オーケストレーション用に作成したカスタム仮想マシンをそれぞれ選択します。
    • [マシンを自動的に作成] をオフにした場合、UiPath は、エラスティック ロボット オーケストレーションに選択されたマシンのみを使用します。その場合、選択したマシンが他のいずれのエラスティック ロボット プールにも使用されていないことを確認してください。さらに、仮想マシンを AWS でホストする場合、AWS の EC2 インスタンスには、インスタンス プロファイル AmazonSSMManagedInstanceCore がアタッチされている必要があります。手順については、AWS のドキュメントをご覧ください。
    • [マシンを自動的に作成] をオンにした場合、UiPath は選択されたテンプレートを使用し、必要に応じて、必要な数のマシンを作成します。
    注: Azure イメージのマシン テンプレートを追加するには、最大で 15 分かかる場合があります。
    1. (Azure マシンの場合) [マシン シリーズ] ドロップダウンから、Azure マシンに必要なシリーズを選択します。
    2. [マシン サイズ] ドロップダウンからマシンのサイズを選択します。
  15. マシンの IP アドレスをパブリックにする場合は、[パブリック IP アドレス][有効] を選択します。
    重要:

    Azure の接続でのみ、IP をパブリックにできます。

  16. [マシンの最大数] で、以下のオプションのいずれかを選択します。
    • 利用可能な最大数を使用: テナントで利用可能な最大ライセンス数までプールを拡張できるようにする場合に選択します。クラウド プロバイダーのサブスクリプション プランによって最大値が制限される場合があります。
    • 制限値を指定: マシンの最大数を制限する場合は、このオプションを選択して、UiPath で作成できるマシンの最大数を入力します。
  17. [詳細設定] をクリックして、詳細なオプションを表示します。
    1. [仮想ネットワーク] のリストでは、[自動] を選択して、マシン テンプレートに従って自動的に仮想ネットワークをプロビジョニングさせるか、クラウド プロバイダーで使用する仮想ネットワークを選択して、その仮想ネットワークおよびサブネット (定義している場合) を使用させることができます。


  18. [プール設定] のため [次へ] をクリックします。
  19. (オプション) マシン上の UiPath ソフトウェアの遅延更新を設定するには、[ソフトウェア更新の設定] トグルをオンにします。次のオプションが表示されます。
    オプション説明

    インスタント自動更新 (推奨)

    これは既定の推奨オプションです。お使いのマシン上の UiPath ソフトウェア (UiPath Robot、Studio、Assistant など) は、2 週間以内に最新の Enterprise バージョンに更新されます。

    この更新プログラムは、プール内のすべてのマシンに適用されます。

    遅延自動更新

    マシン上の UiPath ソフトウェアを最新バージョンより前のバージョンに更新するには、このオプションを選択します。

    遅延自動更新は、プールのマシンを追加した時点で存在するソフトウェアのバージョンによって異なります。たとえば、バージョン 2023.4 が最新のときにマシンを追加した場合、遅延自動更新では 2022.10 のソフトウェア バージョンがインストールされます。v2023.10 のリリース後は、遅延自動更新によって v2023.4 ソフトウェア版がインストールされます。

    この更新プログラムは、プール内のすべてのマシンに適用されます。

    注:

    このオプションは、最新の Enterprise バージョンに移行する前にオートメーションを調整するためのバッファー期間を設定するためのものです。 UiPath ソフトウェアは最新バージョンに更新されるのではなく、以前のバージョンに更新されます。

    重要:

    [遅延自動更新] オプションでは、提案されたバージョンよりも新しいバージョンの Robot はダウングレードされません。

    警告:

    セキュリティ修正が適用されたバージョンは、選択したソフトウェアの更新オプションに関係なく自動的にインストールされます。

  20. [Finish (完了)] をクリックします。

これで、エラスティック ロボット プールの設定が完了し、モダン フォルダー内でジョブの実行に使用できるようになりました。

重要:

クラウド リソース (仮想マシン、イメージ) をエラスティック ロボット プールに追加した後に、クラウド リソースに干渉しないでください。

例:

  • 仮想マシンの電源サイクルを手動で行わない

  • 仮想マシンがプール内にある間に仮想マシンを CSP から削除しない

  • ロボットを Orchestrator に接続したり、Orchestrator から切断したりしない

モダン フォルダーとアカウントのロールを設定する

エラスティック ロボット プールをモダン フォルダーに追加し、そのフォルダーのオートメーションに関わる権限を仮想マシンを使用するアカウントに付与する必要があります。

  1. 左側のモダン フォルダーを選択し、[設定] > [マシン] に移動します。
  2. ページの右上の [フォルダーでマシンを管理] をクリックします。
  3. エラスティック ロボット プールを選択し、[更新] をクリックします。
  4. [アクセス権を管理] ページに切り換え、使用可能なアカウントを確認します。
  5. オートメーションを実行するアカウント (仮想マシンのローカル ユーザーである必要があります) がリストに表示されない場合は、アカウントを追加し、Robot ロールを割り当てます。
    注: ロボット アカウントの使用をお勧めします。ロボット アカウントは、無人オートメーションの実行専用のアカウントです。
  6. アカウントの行の右に表示される [その他のアクション] アイコンをクリックし、[編集] を選択します。以下の変更を加えます。
    1. [ロボットの設定] > [Attended ロボット] をオフにします。(ロボット アカウントには適用されません。)
    2. [ロボットの設定] > [Unattended ロボット] をオンにします。(ロボット アカウントに対しては既に有効化されています。)
    3. [フォアグラウンド オートメーションを実行 (資格情報が必要)] チェックボックスを選択します。[ドメイン\ユーザー名] フィールドに .\username を入力します (例: .\uirobot)。[パスワード] フィールドにアカウントのパスワードを入力します。
    4. [ロボットの設定][コンソールにログイン] にし、[いいえ] を選択して、ロボットがタイムアウトしないようにします。

これで、モダン フォルダーとアカウントの設定が完了しました。

注: 通常のマシン テンプレートとは対照的に、エラスティック ロボット プールをフォルダーに追加しても、そのサブフォルダーにはプールが追加されません。マシンをサブフォルダーでも使用する場合は、上記の手順をサブフォルダーに対して実行する必要があります。

Orchestrator の設定も完了したので、クラウドでオートメーションの実行を開始できます。

クラウドでオートメーションのテストを実行する

クラウドで最初のオートメーションを実行して、エラスティック ロボット オーケストレーションの設定をテストします。

最初の仮想マシンの作成には、10 分から数時間 (Azure でのみ発生) 時間がかかることがあります。オートメーションをテスト実行するには、仮想マシンがジョブを実行できる状態になっている必要があります。

注:

オートメーションを作成すると、エラスティック ロボット プールのマシンが [マシン] ドロップダウンに表示されます。ランタイムは、エラスティック ロボット プールの作成時に設定したランタイムです。

Orchestrator で以下の手順を実行します。

  1. Orchestrator にプロジェクトをパブリッシュ済みであること、またはパッケージをアップロード済みであることを確認します。
  2. モダン フォルダーの [オートメーション] > [プロセス] に移動します。
  3. 新しいプロセスを作成します。
  4. ジョブを開始します。

ライブ ストリーミングとリモート制御

ジョブの進行中に、オートメーションを実行しているロボットのライブ ストリーミングにアクセスできます。トラブルシューティングやデバッグが必要になったら、オートメーションを一時停止することなく、自分のマウスとキーボードを使用して実行を制御できます。

ライブ ストリーミングとリモート制御機能は、Automation Cloud ロボット (サーバーレスおよび仮想マシン)、エラスティック ロボット、Windows ロボットのバージョン 2023.4 以降で利用できます。

ライブ ストリーミングとリモート制御を有効化するには、「機能を有効化する」セクションをご覧ください。

トラブルシューティング

監視

エラスティック ロボット オーケストレーションにエラーが発生しているかどうかは、次のページで確認できます。

  • マシンが利用可能になることを待っている保留中のジョブは、[ジョブ] ページで確認できます。ジョブの保留時間が予想よりも長い場合は、クラウド サービス プロバイダーの設定が正しいかどうかを確認します。
  • Azure、AWS、または GCP で、作成中の仮想マシンを確認できます。作成された仮想マシンは、Orchestrator のモダン フォルダーの [監視] ページにも表示されます。利用可能になった仮想マシンは、既に Orchestrator に接続されているため、次の保留中のジョブを実行します。仮想マシンが作成されていない場合は、クラウド サービス プロバイダーでのマシン テンプレートの構成と、Orchestrator でのエラスティック ロボット プールの構成を確認します。
  • Orchestrator の [アラート] ページで、[ステート] フィルターを [すべて] に設定すると、Cloud ロボット コンポーネントに関する詳細情報のほか、新しいロボットが作成されたことやエラーが発生したことを確認できます。アラートを表示するには、アカウントに直接割り当てられた (グループから継承されていない) ロールのアラート - 表示権限とマシン - 表示権限を持ち、エラスティック ロボット オーケストレーションが使用されるフォルダーに追加されている必要があります。

マシン プールの設定

[マシンを自動的に作成] をオフにした状態で後からエラスティック ロボット プールを編集するときに、設定で選択したマシンが表示されないことがあります。その原因は、一部のマシンが現在または以前に、別のエラスティック ロボット プールに割り当てられていることだと考えられます。1 つのマシンを複数のエラスティック ロボット プールで同時に使用することはできません。

この問題を解消するには、以下の手順を実行します。

  1. [アラート] のページに移動して、マシンのインポートに関するメッセージを確認します。
  2. スキップされたマシンがないか、メッセージを確認します。マシンがスキップされていた場合は、以下の手順を継続します。スキップされていなかった場合は、クラウド サービス プロバイダー内の VM の構成を確認します。
  3. 他のすべてのプールから、そのマシンを削除します。
  4. そのマシンで実行中の現在のタスクが終了するまで待機します。通常は 1 分未満で終了します。
  5. エラスティック ロボット プールにマシンを追加します。

マシンのプロビジョニングの失敗 (AWS のみ)

AWS を使用していて、マシンのプロビジョニングが Machine Provisioning failed のエラーで失敗し、詳細情報に status CREATE_FAILED for stack <name> と表示されている場合は、スタック イベントを追跡して原因を判断できます。

エラーは CloudFormation スタック作成中に発生する場合があり、最も頻繁に見られる原因は AWS のアクセス許可やクォータです。

この問題を解消するには、以下の手順を実行します。

  1. CloudFormation ポータル (https://console.aws.amazon.com/cloudformation/) にログインします。
  2. [スタック] を選択します。
  3. エラーの詳細に表示されているスタックを選択します。次のような CREATE_FAILED メッセージが表示されます。


  4. [状況の理由] 列のエラー原因に関する情報を確認します。
  5. エラーの原因を修正します。
  6. Orchestrator の [テナント] > [マシン] で、エラスティック ロボット プールの設定を編集して、強制的に新しいバージョンのプールが作成されるようにします。たとえば、[サイズ] の値を変更して保存してから、再度編集し、元の値に戻して保存します。

    CloudFormation スタックでは、一度障害が発生すると自動的な再開もリトライもできません。エラスティック ロボット プールに変更を加えることで、再起動のプロセスを開始します。

よく寄せられる質問

作成したマシン イメージは、Windows の最新バージョンやその更新機能を自動的に更新しますか?

いいえ。最新の Windows バージョンや更新プログラムを使用したい場合は、クラウド サービス プロバイダー (CSP) でイメージを再構築する必要があります。

UiPath Robot の更新はいつ適用されますか?

最新バージョンの UiPath Robot を使用するための仮想マシンの更新は、新しいバージョンが利用可能になってから約 2 週間以内に行われます。

更新は以下のタイミングで発生します。

  • 更新が必要なマシンが最初に起動するタイミング
  • ジョブを実行していたマシンがシャットダウンする前
  • マシンが常に使用されているために、更新が利用可能になってから 2 週間経っても更新を受け取ることができない場合は、更新を適用するための短いメンテナンス ウィンドウがそのマシンに対してスケジュール設定されます。

マシンでブラウザー拡張機能を有効にするにはどうすればよいですか?

ERO テンプレートに UiPath リモート ランタイムをインストールしてください。

インストール中:

希望するブラウザー拡張機能 (Chrome 拡張機能など) を選択します。この拡張機能は、ジョブを実行するユーザーと同じユーザーでインストールする必要があります。拡張機能が正しく機能することを確認するため、インストールの完了後に拡張機能を開いてください。

UiPath リモート ランタイムの最新バージョンは、Customer Portal の [製品ダウンロード] ページで確認できます。

インストール後:

デスクトップ版の Studio を開き、[ホーム] > [ツール] > [UiPath 拡張機能] に移動し、目的のブラウザーの [インストール] をクリックします。サポートされているブラウザーのみがリストに表示されます。

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