マーカー

マーカーとは、BPMN のタスクやコール アクティビティに追加される小さな図形記号です。これらは、繰り返し処理や補償処理など、設計者の意図を記述するのに役立ちます。Maestro では、マーカーはモデリングをわかりやすくするためにのみサポートされています。ただし、実行時に解釈されるマルチインスタンス マーカーは例外です。

マルチインスタンス マーカー

マルチインスタンス マーカーは、コレクション内の各項目に対してアクティビティを繰り返す必要があることを示します。

入力	説明	ランタイムの動作
順次	各インスタンスを 1 つずつ順番に実行
並列 (Parallel)	すべてのインスタンスを同時に実行

重要: コレクション入力を使用して構成する必要があります。出力が期待される場合は、集計オプションを構成できます。

ループ処理のサポート

Maestro で反復処理のようなタスク (アイテムのリストを検証する場合など) を扱うには、並列マーカーまたはシーケンシャル マーカーを使用します。マーカーは従来のループのように動作しますが、大規模な処理が可能なのでループより高機能です。

Maestro では、これらのマーカーにより、従来の forloop と同様に、リストのアイテムごとに 1 つのタスクの出力を動的に展開すると同時に、スケーラビリティと可観測性を維持できます。

例：

外部 API から請求書 ID のリストを受け取るとします。別の API を呼び出すことで、各請求書を検証する必要があります。ループを記述する代わりに、以下を使用したプランを定義します。

• 請求書 ID の動的なリスト (前のステップまたは外部への問い合わせから得られたリスト)
• 請求書ごとに 1 つのアクションを展開するための並列マーカー

補償マーカー

アクティビティを補償の対象としてマークします (undo ロジック)。

• モデリング: サポート対象外
• 実行: サポート対象外

重要: このマーカーは、トランザクション補償シナリオをモデル化する際に使用します。実行ロジックは個別に実装する必要があります。

モデリングのガイダンス

• 特に実行の制約に精通していない読者向けに、マーカーを使用することでモデリングの意図を明確にできます。
• 実際に繰り返し実行されるのはマルチインスタンス マーカーのみです。
• ループ ロジックまたは補償の動作は、常にプロセス内の他の場所で文書化してください。

Maestro でサポートされる BPMN 要素について詳しくは、「 BPMN のサポート」をご覧ください。