メトリック

はじめに

メトリックは、一度定義した計算式をアプリ全体で再利用するために使用します。たとえば、請求書の数を計算するためのメトリックや、平均額を計算するためのメトリックを作成できます。これらのメトリックは、さまざまなグラフでさらに再利用できます。

注:

メトリックを追加・編集する際はアプリをプレビューまたはパブリッシュすることはできません。

メトリックを編集する

メトリックを編集するには、以下の手順に従います。

1. [データ マネージャー] パネルで、編集するメトリックを見つけて を選択します。

   [KPI を編集] ウィンドウが表示されます。

2. [メトリック名] フィールドのメトリックの表示名を編集したり、メトリックのルールを設定したりできます。

3. 該当する場合は、コンテキスト メトリックを追加または変更します。

4. [保存] を選択します。

メトリックを追加する

使用したいメトリックが既定では存在しない場合に、お使いのダッシュボードで使用できる新しいメトリックを作成できます。

新しいメトリックを追加するには、以下の手順に従います。

1. [データ マネージャー] パネルで、[+新しいメトリック] を選択します。

   [KPI を作成] ダイアログが表示されます。

2. [メトリック名] フィールドに、新しいメトリックのわかりやすい名前を入力します。

   ヒント:

   メトリックの計算に使用する関数の種類を参照することをお勧めします。

3. メトリックを定義するルールを設定します。

   ヒント:

   メトリックの計算のプレビューが [KPI を作成] パネルに表示されます。

4. 該当する場合は、1 つ以上のコンテキスト メトリックを選択します。

5. [保存] を選択します。

データ マネージャーのメトリックのリストにメトリックが追加されます。

コンテキスト メトリック

コンテキスト メトリックを追加すると、グラフに表示されるメイン メトリックをより深く理解できます。コンテキスト メトリックはグラフにツールチップとして表示されます。

コンテキスト メトリックとしてメイン メトリック平均量とケース数があるグラフを次の図に示します。

メイン メトリックの計算に応じて、メイン メトリックの説明に役立つコンテキストは異なる可能性があります。たとえば、メイン メトリックが Average amount として定義されている場合、平均量の計算対象である Number of cases がコンテキストとして有用です。メイン メトリックが Total amount として定義されている場合も同様です。この場合も、合計の計算対象である Number of cases が有用なコンテキストです。

メイン メトリックがパーセンテージとして定義されている場合 (例: Cases with tag (%))、有用なコンテキストには Number of cases with tag や Total number of cases があります。

次の表に、メイン メトリックとそれに関係するコンテキスト メトリックの例をいくつか示します。

	メイン メトリック	Context metric 1	Context metric 2
Count	ケース数 112	-	-
平均値	平均量 € 61,43	ケース 112	-
合計	総量 € 123.555,00	ケース 112	-
パーセンテージ	タグ付きのケース: 60%	タグ付きのケース 600	ケース総数 1000

ルール

ルールの要素

以下で、メトリックを定義するルールの要素について説明します。

要素	説明
集計の種類	メトリックの計算に使用される関数の種類です。たとえば、SUM は合計値の計算に使用し、AVERAGE は平均値の計算に使用します。
集計に使用するフィールド	メトリックの計算に使用されるフィールドです。

集計の種類

ルールの設定で利用可能な集計の種類の概要は以下のとおりです。

集計の種類	戻り値	許可されるフィールドの種類
Group	N/A	すべて
Input value	定数	数値、通貨、パーセンテージ
Distinct count	選択したフィールドの一意の値の数	すべて
Count	選択したフィールドの値の数	すべて
Case average	選択したフィールドのすべての値の合計をケース数で割った値	number、duration 、currency
Average	選択したフィールドのすべての値の合計を、選択されたフィールドのテーブルのレコード数で割った値	number、duration
Min	選択したフィールドの最小値	number、duration 、currency
Max	選択されたフィールドの最大値	number、duration 、currency
Percentage	選択したフィールド値が TRUE である比率	Boolean
Sum	選択したフィールドのすべての値の合計	number、duration 、currency
Percentile	指定したフィールド値の k-th パーセンタイル値	number、duration 、currency
Median	指定したフィールド値の中央値。	number、duration 、currency

静的な値を使用する

集計の種類の代わりに、定数値を使用してメトリックを計算することもできます。集計の一覧から [入力値] オプションを選択した場合は、値を入力してフィールドの型を選択できます。

ルールを設定する

ルールを設定するには以下の手順に従います。

1. メトリックの計算に使用する関数を [集計] の種類リストから選択します。

   ヒント:

   集計の種類の入力を開始して Enter を選択します。

   
2. メトリックの計算に使用するフィールドを、[集計に使用するフィールド] ドロップダウン リストから選択します。
   注:

   [集計に使用するフィールド] ドロップダウン リストには、選択した集計の種類に適用可能なフィールドのみが含まれます。

3. 必要に応じて、メトリックに使用される集計の評価に対して考慮する必要のある値にフィルターを適用します。

4. [KPI を作成] パネルで [保存] を選択します。

ルールに別の集計を追加する場合は、これらの手順を繰り返します。

注:

ルールの定義には、最大で 2 つの集計を追加できます。ルールに 2 つの集計を定義すると、これらの集計が除算として評価されます。この場合、結果をパーセンテージの値として表示するよう選択できます。

ルールで複数の集計を使用する

ルールの定義には、最大で 2 つの集計を追加できます。ルールに 2 つの集計を定義すると、ルールの評価に使用する演算子を選択できます。利用可能な演算子の概要は以下のとおりです。

演算子	説明
+	追加
-	減算
X	乗算
/	除算*

*) 除算の場合、結果をパーセンテージの値として表示するよう選択できます。

ルールの結果の型は、入力集計の型によって異なります。演算子でサポートされている入力形式の概要は以下のとおりです。

演算子	ルール	結果の型
加算	numeric + numeric	numeric
	duration + duration	duration
	currency + currency	currency
	percentage + percentage	percentage
	timestamp + duration	timestamp
減算	numeric - numeric	numeric
	duration - duration	duration
	currency - currency	currency
	percentage - percentage	percentage
	timestamp - duration	timestamp
	timestamp - timestamp	duration
乗算	numeric x numeric	numeric
	duration x numeric	duration
	currency x numeric	currency
	percentage x numeric	percentage
	percentage x percentage	percentage
	numeric x percentage	numeric
	duration x percentage	duration
	currency x percentage	currency
除算 (Division)	numeric / numeric	numeric
	duration / duration	numeric
	currency / currency	numeric
	percentage / numeric	percentage
	duration / numeric	duration
	currency / numeric	currency
パーセンテージ	numeric / numeric	percentage
	duration / duration	percentage
	currency / currency	percentage

集計のグループ化

単一種類の集計ではなく、グループ集計を使用してメトリックを計算できます。これにより、操作のシーケンスを定義できます。集計の一覧から [グループ] オプションを選択して、2 つの集計で構成するグループを作成します。

ヒント:

グループ集計では 2 つの集計を扱うことができるので、最大で 2 つの集計を加算できる場合は、合計で 4 つの集計を組み込んだルールを作成できます。

Null 処理

X / 0 は null を返します。

null / X は null を返します。

X / null は null を返します。

集計にフィルターを適用する

集計にフィルターを適用するには、以下の手順に従います。

1. フィルターを適用する集計を選択します。

2. [KPI を作成] パネルで [フィルターを追加] を選択します。

3. 必要に応じてフィルターを定義します。

集計にフィルターが適用されていることを示す アイコンが集計の横に表示されます。

ヒント:

このアイコンを選択すると、適用されているフィルターのプレビューが表示されます。

集計を削除する

ルールから集計を削除するには、以下の手順に従います。

1. 削除する集計を見つけて、 アイコンを選択します。

注:

集計を削除する際は通知メッセージが表示されません。

メトリックを削除する

プロセス アプリをクリーンに保つため、使用しなくなったメトリックを削除できます。メトリックを削除するには、以下の手順に従います。

1. [データ マネージャー] パネルで、削除するメトリックを見つけます。

2. メトリック名の上でホバーし、 [メトリックを削除] アイコン を選択します。

   確認メッセージが表示されます。

3. [削除] を選択します。

   以下の画像でご確認ください。

   
   

   

   
   
   注: ユーザーが作成したメトリックのみを削除できます。グラフで使用されているメトリックは削除できません。

メトリック参照の表示

グラフで使用しているメトリックを削除する場合は、まずメトリック参照を削除する必要があります。[メトリックを削除] アイコン上でホバーすると、そのメトリックが使用されているダッシュボードとグラフを示すポップアップが表示されます。