- 基本情報
- ネットワーク要件
- シングルノードの要件とインストール
- マルチノードの要件とインストール
- インストール後
- GPU をプロビジョニングする
- 構成ファイルを使用する
- 構成ファイルについて
- ノードのスケジュール設定
- 移行とアップグレード
- 基本的なトラブルシューティング ガイド
AI Center インストール ガイド
構成ファイルについて
cluster_config.json
ファイルは、UiPath サービスに適用されるパラメーターや設定を定義します。クラスターに対する既定値を変更したり、何らかの高度な構成を使用したりする場合は、このファイルを更新する必要があります。
cluster_config.json
の編集には、次のいずれかを使用できます。
- vi や GNU nano などの Linux テキスト エディター。SSH を介して Linux マシン上で直接使用できます (コマンドの例:
vi cluster_config.json
)。 - お好みのテキスト エディター。その後、マシン上でファイルをコピーして貼り付けます。
cluster_config.json
ファイルによってサービスを有効または無効化するには、enabled
フラグに true
または false
を使用します。
必須パラメーター | 説明 |
---|---|
fqdn | ロード バランサー (マルチノード) またはマシン (シングルノード) のドメイン名。 |
fixed_rke_address | 負荷分散ノードの登録と kube API 要求に使用する固定アドレス。 推奨どおりロード バランサーを構成している場合は、その FQDN を指定します。 その他の場合は、最初のサーバー ノードの FQDN を指定します。 「 ロード バランサーを構成する」をご覧ください。
設定内の最初の rke2 サーバーの IP/FQDN を指定できます。 |
multinode | マルチノード インストールを行う場合は true に設定します。
|
admin_username | ホスト組織の管理者として設定するユーザー名 (admin など)。 |
admin_password | 設定されるホスト テナント管理者パスワード。 |
rke_token | ここには、新たに生成された GUID を使用します。これは、事前共有されるクラスター固有のシークレットです。クラスターに参加させる、すべてのノードで必要です。 |
profile | インストールのプロファイルを設定します。使用可能なプロファイルは次のとおりです。
|
gpu_support | true または false - クラスターに対する GPU サポートを有効化または無効化します。
GPU を持つエージェント ノードがある場合は、「true」に設定します。既定では「false」に設定されています。 |
infra.docker_registry.username | Docker レジストリのインストール用に設定するユーザー名。 |
infra.docker_registry.password | Docker レジストリのインストール用に設定するパスワード。 |
任意パラメーター | 説明 |
---|---|
telemetry_optout | true または false - UiPath へのテレメトリ送信をオプトアウトするために使用します。既定では、false に設定されています。
オプトアウトする場合は、
true に設定してください。
|
AI Center のパラメーター | 説明 |
---|---|
sql_connection_str | SQL 接続名です。 |
orchestrator_url | Orchestrator URL のアドレスです。 |
identity_server_url | Identity Server URL のアドレスです。 |
orchestrator_cert_file_path | Orchestrator 証明書ファイルへの絶対パスです。 |
identity_cert_file_path | Identity Server 証明書ファイルへの絶対パスです。 |
identity_access_token | Identity Server から取得するアクセス トークンです。 |
証明書を取得するには、次の前提条件のドキュメントをご覧ください。
インストール時に証明書を指定しない場合、インストーラーが自己発行の証明書を作成し、それをクラスターに設定します。この証明書の有効期間は 90 日です。
マルチノード インストールでは、証明書が必要なのは最初のノードだけです。
pwd
を実行して、ファイルが配置されているディレクトリのパスを取得し、これに cluster_config.json
に記載された証明書ファイル名を付加します。
マルチノード インストールでは、証明書が必要なのは最初のノードだけです。
パラメーター | 説明 |
---|---|
server_certificate.ca_cert_file | 証明機関の証明書への絶対パス。この証明書は、TLS 証明書に署名する権威となります。自己署名証明書の場合、前の手順で作成した rootCA.crt です。インストーラーで生成する場合は空白のままにします。
|
server_certificate.tls_cert_file | TLS 証明書への絶対パス (前の手順で作成した自己署名証明書の場合は server.crt )。インストーラーで生成する場合は空白のままにします。
|
server_certificate.tls_key_file | 証明書キーへの絶対パス (前の手順で作成した自己署名証明書の場合は server.key )。インストーラーで生成する場合は空白のままにします。
|
additional_ca_certs | Automation Suite の一部として実行されるすべてのサービスに信頼させる、追加の CA 証明書を含むファイルへの絶対パス。ファイルに含まれるすべての証明書は、有効な PEM 形式である必要があります。
たとえば、証明書が公的証明機関によって発行されていない場合、SQL Server の CA 証明書を含むファイルを指定する必要があります。 |
インストーラーでデータベースを作成する場合は、次のフィールドに入力します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
sql.create_db | true に設定されて) います。
|
sql.server_url | インストーラーがデータベースを構成する SQL Server の FQDN。 |
sql.port | SQL Server のデータベース インスタンスをホストするポートの番号。 |
sql.username | SQL Server に接続するユーザー名/ユーザー ID。 |
sql.password | SQL Server に接続するために前に指定したユーザー名のパスワード。 |
dbcreator
ロールが付与されていることを確認してください。このロールにより、SQL Server 上にデータベースを作成する権限が与えられます。この権限がないと、インストールに失敗します。
ODBC 接続では、特殊文字を含むユーザー名はサポートされていません。AI Center と Document Understanding のデータベース ユーザー名において、英字の大文字と小文字のみをご利用ください。
独自のデータベースを提供する場合は、すべてのデータベースに対して SQL 接続文字列が必要になります。次の形式の SQL 接続文字列がサポートされています。
パラメーター | 説明 |
---|---|
sql_connection_string_template | カタログ名を DB_NAME_PLACEHOLDER に設定した ADO.NET の完全な接続文字列。インストーラーは、このプレースホルダーを、インストールするスイートのサービスの既定データベース名に置き換えます。 |
sql_connection_string_template_jdbc | データベース名を DB_NAME_PLACEHOLDER に設定した JDBC の完全な接続文字列。インストーラーは、このプレースホルダーを、インストールするスイートのサービスの既定データベース名に置き換えます。 |
sql_connection_string_template_odbc | データベース名を DB_NAME_PLACEHOLDER に設定した ODBC の完全な接続文字列。インストーラーは、このプレースホルダーを、インストールするスイートのサービスの既定データベース名に置き換えます。
このパラメーターは Document Understanding で使用されます。 |
構成ファイルに接続文字列を手動で設定する場合、次の方法で SQL、JDBC、または ODBC のパスワードをエスケープできます。
- SQL の場合: パスワードの最初と末尾に
'
を追加し、他の'
を 2 個に増やします。 - JDBC/ODBC の場合: パスワードの先頭に
{
を追加し、末尾に}
を追加し、他のすべての}
を 2 個に増やします。
ql_connection_string_template の例
Server=tcp:sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net:1433;Initial Catalog=DB_NAME_PLACEHOLDER;Persist Security Info=False;User Id=testadmin@sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net;Password=***;MultipleActiveResultSets=False;Encrypt=True;TrustServerCertificate=False;Connection Timeout=30;Max Pool Size=100;
Server=tcp:sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net:1433;Initial Catalog=DB_NAME_PLACEHOLDER;Persist Security Info=False;User Id=testadmin@sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net;Password=***;MultipleActiveResultSets=False;Encrypt=True;TrustServerCertificate=False;Connection Timeout=30;Max Pool Size=100;
ql_connection_string_template_jdbc の例
jdbc:sqlserver://sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net:1433;database=DB_NAME_PLACEHOLDER;user=testadmin;password=***;encrypt=true;trustServerCertificate=false;Connection Timeout=30;hostNameInCertificate=sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net"
jdbc:sqlserver://sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net:1433;database=DB_NAME_PLACEHOLDER;user=testadmin;password=***;encrypt=true;trustServerCertificate=false;Connection Timeout=30;hostNameInCertificate=sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net"
sql_connection_string_template_odbc example</summary>
SERVER=sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net,1433;DATABASE=DB_NAME_PLACEHOLDER;DRIVER={ODBC Driver 17 for SQL Server};UID=testadmin;PWD=***;MultipleActiveResultSets=False;Encrypt=YES;TrustServerCertificate=NO;Connection Timeout=30;"
SERVER=sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net,1433;DATABASE=DB_NAME_PLACEHOLDER;DRIVER={ODBC Driver 17 for SQL Server};UID=testadmin;PWD=***;MultipleActiveResultSets=False;Encrypt=YES;TrustServerCertificate=NO;Connection Timeout=30;"
aicenter
SQL 構成パラメーターを設定します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
aicenter.ai_appmanager.sql_connection_str | AI アプリ マネージャーの JDBC 接続文字列 (JDBC 形式については以下を参照)。 |
AI Center 接続文字列の例
"aicenter": {
"enabled": true,
"sql_connection_str": "jdbc:sqlserver://sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net;instanceName=instance;database=aicenter;user=testadmin@sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net;password=TFgID_9GsE7_P@srCQp0WemXX_euHQZJ"
}
"aicenter": {
"enabled": true,
"sql_connection_str": "jdbc:sqlserver://sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net;instanceName=instance;database=aicenter;user=testadmin@sfdev1804627-c83f074b-sql.database.windows.net;password=TFgID_9GsE7_P@srCQp0WemXX_euHQZJ"
}
Document Understanding 接続文字列の例
"documentunderstanding":
{
"datamanager": {
"sql_connection_str": "mssql+pyodbc://testadmin:myPassword@mydev-sql.database.windows.net:1433/datamanager?driver=ODBC+Driver+17+for+SQL+Server",
}
"documentunderstanding":
{
"datamanager": {
"sql_connection_str": "mssql+pyodbc://testadmin:myPassword@mydev-sql.database.windows.net:1433/datamanager?driver=ODBC+Driver+17+for+SQL+Server",
}
db_owner
ロールが付与されていることを確認してください。セキュリティの制約により db_owner
の使用が許可されない場合は、すべてのデータベースに対する次のロールと権限を SQL アカウントに付与する必要があります。
db_ddladmin
db_datawriter
db_datareader
- dbo スキーマに対する
EXECUTE
権限
監視のために十分なリソースをプロビジョニングするには (「監視スタックを使用する」参照)、クラスター内の vCPU の数と、メトリックの必要な保持日数について検討する必要があります。監視リソース構成の設定方法については、次の表をご覧ください。
次の表で、監視フィールドの詳細について説明します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
prometheus_retention | 日数単位。
Grafana での視覚化や Prometheus コンソールからの手動のクエリを目的として、メトリックが保持される日数です。 既定値は
7 です。
|
prometheus_storage_size |
GB 単位。 Prometheus レプリカ 1 つあたりに確保するストレージ容量です。 適切な経験則としては、この値を次のように設定します。
例: prometheus_retention を 14 日に設定し、クラスターが 5 つのマシンにまたがる 80 個のコアから構成されている場合は、次のようになります。
既定値は
45 で、これより小さな値は設定しないでください。
Prometheus でストレージ容量が不足しはじめると、具体的な修正策を含むアラートがトリガーされます。 |
prometheus_memory_limit |
MB 単位。 Prometheus レプリカ 1 つあたりのメモリ容量の制限値です。 適切な経験則としては、この値を次のように設定します。
例: prometheus_retention を 14 日に設定し、クラスターが 5 つのマシンにまたがる 80 個のコアから構成されている場合は、次のようになります。
既定値は、シングルノードの評価モードでは
3200 で、マルチノードの HA 対応の運用モードでは 6000 であり、これより小さい値に設定しないでください。
Prometheus でメモリが不足しはじめると、具体的な修正策を含むアラートがトリガーされます。こちらをご覧ください。 |
例:
"monitoring": {
"prometheus_retention": 14,
"prometheus_memory_limit": 16000,
"prometheus_storage_size": 104
}
"monitoring": {
"prometheus_retention": 14,
"prometheus_memory_limit": 16000,
"prometheus_storage_size": 104
}
cluster_config.json
を更新する必要があります。
vim またはお好みのエディターを使用して、構成ファイルに以下を追加する必要があります。
"proxy": {
"enabled": "true",
"http_proxy": "http://<PROXY-SERVER-IP>:<PROXY-PORT>",
"https_proxy": "http://<PROXY-SERVER-IP>:<PROXY-PORT>",
"no_proxy": "<Comma separated list of ips that should not got though proxy server>"
}
"proxy": {
"enabled": "true",
"http_proxy": "http://<PROXY-SERVER-IP>:<PROXY-PORT>",
"https_proxy": "http://<PROXY-SERVER-IP>:<PROXY-PORT>",
"no_proxy": "<Comma separated list of ips that should not got though proxy server>"
}
- VM 上の
30070
ポートでの送受信呼び出しを許可します。必須パラメーター 説明 enabled
true
またはfalse
を使用して、プロキシ設定を有効または無効化します。http_proxy
クラスターからの HTTP アウトバウンド要求をルーティングするために使用します。これはプロキシ サーバーの FQDN とポートとする必要があります。 https_proxy
クラスターからの HTTPS アウトバウンド要求をルーティングするために使用します。これはプロキシ サーバーの FQDN とポートとする必要があります。 no_proxy
プロキシ サーバー経由でルーティングしない、ホスト、IP アドレス、CIDR 形式による IP 範囲のコンマ区切りリストです。プライベート サブネット範囲、SQL Server ホスト、名前付きサーバー アドレス、メタデータ サーバー アドレスを指定する必要があります ( *.<fqdn>,<fixed_rke_address>:9345,<fixed_rke2_address>:6443
)。fqdn
-cluster_config.json
で定義したクラスターの FQDNfixed_rke_address
-cluster_config.json
で定義したfixed_rke_address
named server address
-/etc/resolv.conf
の IP アドレスprivate_subnet_ip
- クラスターの VNetsql server host
- SQL Server のホストmetadata server address
- Azure や AWS などのクラウド サービスがマシンのメタデータの取得に使用する IP アドレス169.254.169.254
マルチノード クラスターでゾーン障害に対する復元機能を有効化するには、次の手順を実行します。
- 使用可能な 3 つのゾーンにノードが均等に分散されていることを確認します。ベアメタル サーバーの場合、または AWS、Azure、GCP 以外のベンダーが提供する仮想マシンの場合、ゾーンのメタデータは、すべてのマシンの
/etc/default/k8s-node-labels
にある構成ファイルにより、次の形式で指定する必要があります。NODE_REGION_LABEL=<REGION_NAME> NODE_ZONE_LABEL=<ZONE_NAME> cat > /etc/default/k8s-node-labels <<EOF EXTRA_K8S_NODE_LABELS="topology.kubernetes.io/region=$NODE_REGION_LABEL,topology.kubernetes.io/zone=${NODE_ZONE_LABEL}" EOF
NODE_REGION_LABEL=<REGION_NAME> NODE_ZONE_LABEL=<ZONE_NAME> cat > /etc/default/k8s-node-labels <<EOF EXTRA_K8S_NODE_LABELS="topology.kubernetes.io/region=$NODE_REGION_LABEL,topology.kubernetes.io/zone=${NODE_ZONE_LABEL}" EOF - 高度な構成手順において、
cluster_config.json
ファイルを更新します。
cluster_config.json
を更新するには、高度な構成手順でウィザードを終了し、vim またはお好みのエディターで構成ファイルに以下を追加します。
"zone_resilience": true
"zone_resilience": true
必須パラメーター | 説明 |
---|---|
zone_resilience | true または false を使用して、ゾーン障害に対する復元機能を有効または無効化します。
|
/etc/resolv.conf
で構成されたネーム サーバーを使用します。Kubernetes はローカル DNS リゾルバー (127.0.0.1 または 127.0.0.0/8) では動作しません。そのため、このようなネームサーバーが /etc/resolv.conf
ファイル内で構成されている場合は、cluster_config.json
の .infra.custom_dns_resolver
パラメーターに、仮想マシンのどこからでもアクセスできる適切なネームサーバー エントリを含むファイル参照を渡す必要があります。
既知の制限の詳細については、 Kubernetes のドキュメントをご覧ください。
任意パラメーター | 説明 |
---|---|
.infra.custom_dns_resolver | 仮想マシン上のどこからでもアクセスできる、適切なネーム サーバー エントリを含むファイルへのパスです。これらのネーム サーバー エントリは、 127.0.0.0/8 からは参照しないでください。
|