Data Fabric ユーザーガイド

デリバリー:

最終更新日時 2025年8月21日

はじめに

概要

UiPath^® Data Fabric は、コード不要の強力なデータモデリングおよびストレージ機能をロボティックプロセスオートメーション (RPA) プロジェクトにもたらす、永続的なデータストレージサービスです。

Data Fabric は、UiPath 内でビジネスデータを安全に保存および管理できる、ビジネスでありながらユーザーフレンドリーなサービスを提供します。

無人のプロセスを実行して複数のシステムからデータを集約し、その後そのデータを別のシステムで使用する場合。
複数の有人・無人のプロセス間でデータを転送する必要のある、長期実行の業務プロセスでデータを使用する場合。
Studio および Robot との連携により、以下の機能を活用したオートメーションを構築できます。
- リッチなリレーショナルデータ型
- 統合セキュリティ
- 迅速かつ調整可能なプロビジョニングおよびデプロイメント

ユースケース

次のリストでは、データファブリックの最も一般的なユースケースのいくつかについて説明します。

従業員のニーズに関するデータをキャプチャする

従業員のニーズ (例: 机、椅子、Web カメラなど) に関するデータをキャプチャする新しいプロセスを作成する場合。

問題: データが大量になる可能性があるため、購買システム内でリクエストを作成する前にデータを保存しておく必要があります。

解決： データベース、ファイル共有、またはクラウドストレージを使用する代わりに、データファブリックに保存できます。

毎月の財務報告

毎月の財務報告のプロセスで複数のシステムから受注、請求書、支払いなどのデータを取得します。

問題: 有人ワークフローと無人ワークフローのいずれも、実行されるたびにそれらのデータを取得します。その場合、すべてのユーザーがすべてのバックエンドシステムにアクセスおよび接続できるようにする必要があります。また、すべてのプロセスが完了する前に基になるデータが変更されると、レポートの遅延や不整合が発生する可能性があります。

解決：Data Fabric では、無人ワークフローを 1 つ作成するだけで、必要なすべてのデータを収集できます。そうすれば、他のすべての有人/無人ワークフローで使用することができます。また、ユーザーのマシンやロボット端末のファイルに重要なビジネスデータを集めて保存しておく必要がなくなります。

キューを使用するオーケストレーションプロセス

サプライヤーの請求書の支払いに関する人間とロボットとの対話型処理を伴い、キューを介してすべてのデータを転送するオーケストレーションプロセスを設計した場合。

解決：請求書を Data Fabric に保存し、キューを介してレコード ID を渡し、信頼できる 1 つのバージョンで作業できます。また、データファブリックからシステム内のすべての請求書を完全に可視化する新しいプロセスを作成することもできます。

CRM に入力する前に顧客をレビューする

顧客関係管理 (CRM) システムに入力する顧客の 360 度ビューを事前に作成するための、無人業務プロセスを作成する場合。

問題: ワークフローには数十個、もしくは数百個の変数が含まれます。

解決：Data Fabric で顧客エンティティをモデル化し、Studio に定義をインポートし、ワークフローで 1 つの変数を操作してからさまざまな記録システムで分散させることができます。データをデータファブリックに保存する必要はありません。

メリット

ストレージはセキュリティで保護され、永続的で、アクセス可能です。すべてのデータを一意な一箇所の場所に保存できます。
すべての UiPath^® 製品のエンティティ、レコード、およびドキュメントにシームレスにアクセスできます。
完全に新しいデータも、既存のデータも保存できます。
ビジネスエンティティを定義、変更、拡張し、それらのエンティティのレコードを標準の組み込み機能以外の場所に保存できます。
関係、ルール、属性のようなリッチなメタデータをエンティティに定義し、定義したエンティティに関連するドキュメントを保存できます。

前提条件

Data Fabric の使用を開始するには、最初に Automation Cloud アカウントが必要です。詳しくは、 Automation Cloud の「はじめに」をご覧ください。さらに、 Data Fabric をサービスとして表示するには、ユーザー/ロボットをテナントに追加する必要があります。

UiPath^® Studio でエンティティを使用するには、次の要件を満たす必要があります。