ベストプラクティス

Task Mining は、既知のタスクについて追加の詳細と情報を収集し、タスクのさまざまな実行方法を包括的に理解することを目的として設計されています。

理由を理解する

Task Mining の使用を開始する場合、ベストプラクティスとして必ずエンドユーザーに対し、Task Mining プロジェクトを作成する論理的根拠と、指定したタスクを記録することで期待される成果を説明してください。Task Mining では、記録ユーザーのデスクトップにあるものがすべて記録されるので、ノイズの多いデータを制限するためには、記録前にタスク環境を設定することが重要です。

以下の点に留意してください。

記録はエンドユーザーの同意を得た場合にのみ開始されます。
許可されているアプリケーションのみが記録されます。
個人情報 (PII) のマスキングは、プロジェクトレベルで有効化/無効化できます。
ユーザーの匿名化は常に任意です。このデータを記録する目的は、チーム/タスクをさらに最適化して実行可能性を向上させるためにタスクの非効率性を詳しく理解することです。

プロジェクトの設定

Task Mining サービスに移動し、Task Mining プロジェクトを作成します。チーム/部署ごとにプロジェクトを作成するのが最善の方法です。プロジェクト作成時に、一意の関連するタイトルと説明を入力する必要があります。最適な結果を得るために、日常業務に詳しい経験豊富なユーザーを採用することをお勧めします。

各ユーザーにメールが送信され、プロジェクトに追加されたこと、および UiPath® Automation Cloud^TM (公共部門向け) のプロジェクトにアクセスしてトレースを記録または確認できることが通知されます。

招待する記録ユーザーを具体的に指定し、記録する既知のタスクと関連アプリケーションを正確に知らせます。これにより、トレースのレビューや結合時にノイズの多いデータを制限できます。

タスクの記録

各プロジェクトには最大 100 件のトレースを設定できます。トレースには最大 500 件のアクションを含めることができます。

記録は、ユーザーがレコーダーで自身を認証して [ 開始] を選択した後にのみ開始されます。
デスクトップに表示されるアプリケーションはすべて記録可能なので、ユーザーはキャプチャするアプリケーションだけを利用可能にするように注意する必要があります。
PII のマスクは既定でオンになっており、すべてのスクリーンショットがマスクされます。

記録に関するヒント:

開始したタスクは完了させます。記録中の解釈や中断を最小限に抑えることができます。
記録中のタスクの切り替えを (可能であれば) 制限します。サポートされていないアプリの使用を最小限に抑えます。
タスクの完了時に他の機能が起動した場合は、記録を一時停止します。

トレースを分析する

トレースが記録されてプロジェクトにアップロードされたら、自分自身、あるいはプロジェクト内のビジネスアナリストロールまたは管理者ロールを持つすべてのユーザーがトレースをレビューできます。トレースをレビューする際には、記録したトレースに、識別されたタスクの必要な部分がすべて含まれていることを確認することが重要です。PII のマスクが既定で適用されるので、トレースでレビューする画像はマスクされます。

トレースを結合する

プロジェクトのすべてのトレースが収集およびアップロードされたら、トレースを結合して包括的に確認できます。結合には「自動結合」と「ガイド付き結合」の 2 種類があります。

自動結合: AI を活用して、各トレースのステップとアクション間の類似点を自動的に見つけます。その後、トレースを総合して包括的なビューを作成し、アクションが異なっている判断ポイントを自動的に作成します。最大 25 件のトレースを自動結合でき、各トレースで最大 500 件のアクションを収集できます。
ガイド付き結合: 個々のステップを追加および結合して複数のトレースを自身で結合し、トレースの包括的なビューを作成できます。タスクのビジネスコンテキストを理解していて、チームのためにこの作業を行う内容領域専門家を採用することをお勧めします。

トレースをレビューする際に、ステップの追加や削除を行うと、トレースが自動結合に適さなくなるので注意してください。後からガイド付き結合を実行することはできますが、自動結合ではトレース名の変更しか行えません。

実行可能性とプロセスの最適化を推進する

チームがタスクの包括的なビューを手に入れたら、結合されたトレースをビジネスアナリストがレビューし、より大きなグループにとって有益だと思われる詳細情報を入力することをお勧めします。たとえば、ステップのタイトルをビジネスユーザーにとってより関連性の高いものに変更したり、説明を加えて、実行するアクションのコンテキストを含めたりします。

レビューと編集が終わったら、結合されたトレースを業務プロセス定義書 (.docx)、画像、または Studio (.xaml) ファイルにエクスポートして、発見までの過程を迅速化できます。