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Robot ガイド
最終更新日 2024年4月3日

PiP - 子セッション

ピクチャ イン ピクチャ - 子セッションを使用すると、有人プロセスを独立した Windows セッションで実行できるため、現在行っている作業が中断されません。

プロセスがピクチャ イン ピクチャ モードで開始されると、新しいセッションが生成されます。オートメーションを初めて PiP で実行する場合は、Windows 資格情報を使用して新しいセッションを認証するよう求められます。

セッションが作成されると、デスクトップにプレビュー ウィンドウが表示され、プロセスの実行からのフィードバックをリアルタイムで確認できます。このウィンドウは、サイズ変更や移動、全画面表示ができるほか、他のウィンドウの手前に配置することもできます。ピクチャ イン ピクチャ モードはいつでも終了できます。ピクチャ イン ピクチャ ウィンドウのタスク バーのエントリを右クリックして [ウィンドウを閉じる] を選択するか、単純にウィンドウを閉じます。確認ダイアログが表示され、PiP ウィンドウを閉じることを選択すると、実行中のプロセスが停止します。

注:
• プロセスを PiP セッションで開始するためのタイムアウトの既定値は 180 秒です。PiP セッションへのログイン時間が既定値を超える場合は、タイムアウト エラーが発生します。このタイムアウトの既定値は、マシンの UIPATH_PIP_SESSION_TIMEOUT 環境変数を使用して変更できます。サービス モードの Robot を使用している場合は、UIPATH_PIP_SESSION_TIMEOUT 変数をシステム環境変数として設定し、Robot サービスを再起動してください。

• マシン上でピクチャ イン ピクチャ機能を有効化するには、管理者権限が必要です。権限が必要なのは、ピクチャ イン ピクチャを初めて使用する時のみです。その後、実際のプロセスをピクチャ イン ピクチャで開始する際には管理者特権は必要ありません。

コントロール

PiP ウィンドウでは、以下のコントロールを使用できます。

  • docs image (制御する) - このコントロールを有効化すると、PiP セッションを管理できます。無効化すると、マウスとキーボードがメイン セッションでのみ機能します。
  • docs image (常に手前に表示) - このコントロールを有効化すると、フォーカスが外れているときでも PiP ウィンドウを常に他のアプリケーションの前面に表示できます。
  • docs image 最小化 - プロセスを中断せずに、PiP ウィンドウを最小化してメイン セッションのタスク バーに収めます。
  • docs image 最大化 - PiP ウィンドウを最大化します。
  • docs image 閉じる - PiP ウィンドウを閉じ、実行中のプロセスをすべて停止し、PiP セッションからログオフします。


ピクチャ イン ピクチャに使用される資格情報は、Windows の子セッションのメカニズムによって管理されます。詳細については、Microsoft の子セッションに関するドキュメントをご覧ください。

PiP を有効化した後は、ユーザーがマシンに再度ログオンするまでの PiP の子セッションの起動時や、ユーザー名/パスワードの組み合わせの代わりにスマート カードや PIN を使用するなどの特定のシナリオ で、これらの資格情報が必要になります。

マシンで PiP を有効化する

マシンのピクチャ イン ピクチャ機能は、コマンド ラインを通じて有効化するか、マシンで初めて PiP セッションを開始するときに手動で有効化することができます。

メソッド

コマンド

説明

手動

 

Studio または Assistant からピクチャ イン ピクチャ セッションを初めて開始すると、マシンの PiP 機能を有効化するよう求めるメッセージが表示されます。有効化するには管理者権限が必要です。

コマンド ライン

UiRobot.exe PiP

マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を有効化または無効化できます。この設定はローカル マシンに適用され、すべてのユーザーに影響があります。また、既存のインストールを変更するために使用されます

次のパラメーターを設定できます。

  • PiP --enable

マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を有効化します。

  • PiP --disable

マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を無効化します。

例: UiRobot.exe PiP --Enable

これらのコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。

コマンド ライン

UiPathStudio.msi ENABLE_PIP

コマンドラインから UiPath 製品をインストールするときに、マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を有効化できます。

そのためには、以下のパラメーターを使用します。

  • ENABLE_PIP=1

例:

UiPathStudio.msi ADDLOCAL=DesktopFeature,Studio,Robot,RegisterService,Packages ENABLE_PIP=1

既知の問題と制限事項

ピクチャ イン ピクチャ機能を使用する際の注意事項は以下のとおりです。

  • Windows のメイン セッションへのログインに PIN を使用している場合、ピクチャ イン ピクチャのセッションを開始するたびに資格情報の入力を求められます。
  • ピクチャ イン ピクチャ セッションが開くと、PiP セッション内で起動プログラムも開きます。このため、周辺機器の一部の設定 (キーボードやマウスの照明設定など) が既定値にリセットされる可能性があります。
  • PiP プロセスの実行中にリモート デスクトップ セッションを有効化するよう促すメッセージが表示されてセッションを有効化した場合、この変更を反映するにはメインの Windows セッションから一旦ログアウトしてログインし直す必要があります。
  • PiP セッションを事前に閉じる必要があるため、PiP セッションが開いている間はマシンを再起動またはシャットダウンできません。
  • ピクチャ イン ピクチャの実行に関するオペレーティング システムの制限により、Windows 8 および 10 の Home Edition はサポートされていません。
  • クリップボードは PiP セッションとメイン セッション間で共有されます。
  • [管理者として実行] は、PiP セッションで使用できません。
  • 一度に開始できるピクチャ イン ピクチャ セッションは 1 つのみです。
  • ユーザーが PiP セッションを開始するには、そのユーザーに Allow Log On Locally 権限を付与する必要があります。

Microsoft Office の操作の自動化

Microsoft Office のリソースを使用するオートメーションは、メイン セッションでそのリソースが既に開いている場合、ピクチャ イン ピクチャで正常に実行されません。オートメーションが PiP でスムーズに実行できるように、次の操作を行います。

  • Microsoft Office アプリケーションで使用されているリソースをメイン セッションから閉じて、PiP セッションで開けるようにします。
  • [分離] プロパティをオンに設定した [ワークフローを呼び出し] アクティビティを使用して、オートメーション内で Microsoft Office を使用する部分を呼び出します。Studio で [ターゲット セッション][ピクチャ イン ピクチャ] に設定します。

PiP セッションで Web ブラウザーを使用する

ピクチャ イン ピクチャ セッションのブラウザー データは、既定でメイン セッションに保存されます。メイン セッションで Google Chrome または Microsoft Edge インスタンスを開いている場合は、PiP で別のユーザー プロファイルを使用する必要があります。これは、[ブラウザーを開く] アクティビティによって自動的に実行されます。PiP セッションとメイン セッションの両方で、特定のブラウザー (たとえば、Chrome) を同じユーザー プロファイルを使用して同時に開くことはできません。

ただし、ブラウザー データのモードと場所は、[ブラウザーを開く] アクティビティのプロパティから設定できます。

UserDataFolderMode プロパティを Automatic に設定すると、ブラウザーはメイン セッションと PiP セッションに別々のユーザー データ フォルダーを使用できます。
このモードで %LocalAppData%\UiPath\PIP Browser Profiles フォルダーからユーザー データをクリアする場合は、対応するブラウザー拡張機能を再度有効化する必要があります。
メイン セッションのデータ (Cookie、保存されたパスワードなど) を使用する必要がある場合は、[ユーザー データ フォルダー モード] プロパティを DefaultFolder に設定することを検討してください。つまり、メイン セッションと PiP セッションの両方でブラウザーのユーザー データに同じフォルダーを使用します。
注: [ユーザー データ フォルダー モード] を DefaultFolder に設定すると、ブラウザーは一度に 1 つのセッションでのみ機能します。ブラウザーがメイン セッションで開いている場合は、PiP セッションでは機能しません。これは、同じブラウザー プロファイルを 2 つのセッションで同時に使用できないためです。
注: Target Session UserDataFolderMode は Studioこれらのプロパティを変更するには、StudioX で開発されたプロジェクトを Studio で開く必要があります。
UserDataFolderMode プロパティを CustomFolder に設定することで、メイン セッションと PiP セッションに別々のユーザー データ フォルダーを指定できます。

PiP で毎回ログインが必要

使用している環境によっては、適用されている特定の Windows ポリシーが原因で PiP セッションを開始するたびにログインを求められる場合があります。

たとえば、次の設定が Disabled に設定されていると、PiP ウィンドウが起動するたびに資格情報の入力を求められます。
  • Local Group Policy\Computer Configuration\Administrative Templates\System\Credential Delegation\Allow delegating default credentials

これは、Windows Hello for Business の PIN が使用されている場合にも発生します。PIN 認証は PiP セッションの初回生成時にのみ機能し、その後 PiP セッションの認証にはユーザー名とパスワードが必要になります。

スマート カード認証

お使いの環境でスマート カードでのログオンが必要な場合は、次のポリシーをEnabled に設定しないでください。
  • Computer Configuration\Administrative Templates\Windows Components\Remote Desktop Services\Remote Desktop Session Host\Device and Resource Redirection\Do not allow smart card device redirection

PiP でワークフローを開始するのに時間がかかる

プロセスを初めて PiP で開始する場合、実際に実行が開始されるまでに通常より時間がかかります。これは、PiP セッションがすべての Windows プロセスと起動プログラムを開始する必要があるために発生します。

推奨事項: マシンの起動時に PiP セッションを開始し、1 日中開いたままにします。これにより、プロセスごとに新しい PiP セッションを開始するよりも使用するリソースが少なくすみます。

PiP セッションが開始されない

一部の Windows のポリシーでは、PiP セッションを開始できない場合があります。この問題を回避するには、PiP セッションを起動するユーザーが以下のポリシーに含まれている必要があります。

  • Computer Configuration\Windows Settings\Security Settings\Local Policies\User Rights Assignment\Allow Log On Locally
  • Computer Configuration\Windows Settings\Security Settings\Local Policies\User Rights Assignment\Access this computer from the network
    • 重要: このポリシーは、ロボット端末で Device Guard が有効化されている場合に必要です。つまり、両方のカーネル DMA 保護がオンになり、ローカル グループ ポリシーによって Device Guard がマシンに適用されます。
      Device Guard は有効化されているものの Access this computer from the network が無効化されているシナリオでは、PiP セッションを起動しようとすると、「ChildSession Disconnected: The system administrator has restricted the types of logon (network or interactive) that you may use. For assistance, contact your system administrator or technical support., Reason: 4871, ExtendedReason exDiscReasonNoInfo」というエラーが表示されます。
注: 現在、PiP 機能に影響を与える可能性があるその他のポリシーの調査を行っています。

PiP で VPN クライアントが機能しない

VPN クライアントを PiP と組み合わせて使用する場合、競合が発生する場合があります。たとえば、ユーザーのログイン時に VPN クライアントが起動するように設定されている場合、PiP の開始時に VPN クライアントの別のインスタンスが起動します。VPN クライアントはユーザー 1 人につき 1 つのインスタンスを実行するように設定されているため、これら 2 つのセッション間で競合が発生します。

このようなシナリオを解決するために、最も一般的な VPN プロバイダーとそれぞれの特殊性、発生する可能性がある既知の問題の解決方法を以下のリストにまとめました。

Cisco AnyConnect

現象

Cisco AnyConnect クライアントがユーザー マシンで実行されており、PiP セッションが開始されると、別の Cisco AnyConnect クライアントが PiP セッションで起動されます。

原因

Cisco VPN サーバーはユーザー1 人につき一度に 1 つのセッションを受け入れます。PiP セッションが開始されると、Cisco AnyConnect によってメイン セッションの VPN が切断され PiP セッションでエラーが発生します。

これによりユーザーの VPN 接続がシャットダウンされ、VPN 接続が必要なサービスにアクセスできなくなります。

解決方法

Windows の起動時に VPN クライアントが自動的に開始するよう設定しないでください。これにより、PiP セッションの開始時に新しい接続が開始されなくなり、PiP のトラフィックはメインの Windows セッションを通じてトンネリングされます。

Zscaler

現象

PiP セッションが開始されると、PiP セッションで別の Zscaler クライアントが起動します。これにより、Zscaler クライアントがメインの Windows セッションから消えます。ユーザーが PiP セッションを閉じるまではすべて期待どおりに動作しますが、PiP セッションを閉じると Zscaler クライアントは状態遷移中のままになります。Zscaler を開くには、ユーザーがサインアウトしてサインインし直すか、マシンを再起動する必要があります。

原因

この問題は、Zscaler により調査中です。

解決方法

Zscaler のサポート チームに問い合わせてください。

Pulse Secure

現象

PiP セッションが開始されると、ユーザーは VPN から切断されます。

原因

Pulse Secure クライアントは、同じユーザーに対して 2 つの Windows セッションを処理できません。

解決方法

Pulse Secure のサポート チームに問い合わせることをお勧めします。

Palo Alto の GlobalProtect

PiP セッションが開始されると、両方のセッションの GUI でユーザーが VPN から切断されていると表示されますが、PiP セッションは VPN に接続されたままです。

解決方法

Palo Alto のサポート チームに問い合わせることをお勧めします。

PiP と Windows Server

複数のユーザーが同時に 1 つの Windows Server に接続されているシナリオでは、マシン上で起動できる PiP セッションは 1 つだけです。つまり、PiP セッションを開くために使用されるユーザーやセッションの種類に関係なく、1 つのマシン上で開くことができる PiP セッションは 1 つだけです。

PiP とその他の仮想化環境

AppV や Citrix XenApps などのその他の仮想化環境では、PiP 機能は利用できません。

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