2021.10.0
UiPath® の製品群が増え続ける中、よりスムーズなオートメーション ジャーニーを実現するための方法が必要とされています。
たくさんの製品を個別にインストールして設定し、管理するには労力が必要です。そこで、これらの作業の煩雑さを軽減するための方法を考えだしました。
その方法は、Automation Suite として実現しました。Automation Suite は UiPath® 製品のインストール、アップグレードおよび管理において、一貫性があり、簡単で洗練されたユーザー エクスペリエンスを実現するために設計されたフレームワークです。
Automation Suite の理念は、ユーザーが面倒なタスクに費やす労力を最小限に抑え、代わりに UiPath のツールを最大限に利用することに注力できるようにする包括的なソリューションを提供することです。つまり、Automation Suite は、すべての UiPath® 製品間で一貫した予測可能なエクスペリエンスを提供します。
Automation Suite とは Linux ベースのソリューションで、UiPath のほとんどのサーバー製品、ソフトウェアの依存関係、共通のプラットフォーム コンポーネント、インフラストラクチャを単一のインストーラーにバンドルしたものです。Automaton Suite を使用すれば、ユーザーは簡単な操作を行うだけで UiPath® スイート全体をすぐに利用できるようになります。
Automation Suite を使用する利点を以下で記載します。
- Automation Suite は、UiPath のサーバー製品全体をカプセル化できるよう設計されています。ただし、Process Mining と Data Service は、Automation Suite v2021.10 に含まれません。これらの 2 つの製品は将来のリリースで利用できるようになる予定です。
- Automation Suite は、エンドツーエンドのハイパーオートメーション プラットフォーム戦略の実現を目的として作成されており、クラウド サービスと同様のユーザー エクスペリエンスが保証されることが想定されています。つまり、Automation Cloud の利点がオンプレミス版のユーザーにももたらされるということです。
- Automation Suite は、ユーザー管理/ディレクトリ API ならびにテナントやライセンス管理のための一連の機能を、クラウドと同様に提供します。
- Automation Suite は、複数の UiPath® 製品に対して単一のデリバリーとメンテナンスのメカニズムを確立します。このためインストール、アップグレード、およびメンテナンス作業が簡略化され、トラブルシューティングも簡単になります。
- Automation Suite は、ユーザーに必要な依存関係を用意して、それらが確実にインストールされ実行されるようにします。業務で必要な製品に応じて、選択した各サービスはそれぞれ、指定されたマニフェスト、構成、依存関係を準備する必要があります。
- Automation Suite のインストーラーは、オンライン環境でもオフライン (エアギャップ) 環境でも使用できます。
- インストーラー、製品スタック全体およびそのインフラストラクチャ、Kubernetes へのコンテナー化は UiPath® がサポートします。
- Automation Suite の提供を開始しても
.MSI
インストーラーの提供は継続します。ただし、引き続き製品ごとのスタンドアロンのインストーラーとして提供されます。また、.MSI
インストーラーは、Automation Suite へのアップグレードを実行する際にも使用します。これは、既に UiPath 製品を使用しているユーザーが Automation Suite に移行するためには、あらかじめ最新のバージョンの.MSI
アップグレードしておく必要があるためです。
- インストール用のフォルダーと権限を設定するには、インストール時にルート アクセスが必要です。
- ODBC 接続では、特殊文字を含むユーザー名はサポートされていません。AI Center と Document Understanding のデータベース ユーザー名において、英字の大文字と小文字のみをご利用ください。
- Kubernetes Pod レベルで MTU を設定する際に既定値 (
1450
) を使用すると、Azure Virtual Network 上でさまざまな問題が発生する可能性があります。この問題を回避するには、Pod の MTU の設定値を1350
にすることをお勧めします。詳細については、「トラブルシューティング」をご覧ください。
-
組織管理者には関連付けられたメール アドレスが必要です。メール アドレスが設定されていない場合は、各製品を構成しようとする際にエラー (エラー コード 4000) が発生します。
- アラートを含む定期的なメールがユーザーに送信されません。お使いの Google アカウントの SMTP サーバーを正しく動作させるには、設定された SMTP ポート用のネットワーク セキュリティ グループで新しい送信規則を設定する必要があります。Automation Suite で SMTP 用に構成された設定は、60 分以内に Orchestrator に反映されます。
- まれに、マシンを 2 回連続して再起動すると、サービスのデプロイがスタックする場合があります。これは、DATABASECHANGELOGLOCK のロックが 1 つのサービスで解放されていないことが原因で発生します。この場合、AI Center のポッドが継続的に再起動します。この問題が発生した場合は、トラブルシューティングをご確認ください。
- データセットのパブリック エンドポイントが、アクティビティからのファイルのアップロードに利用できません。HTTP 呼び出しを直接行う場合は、引き続き利用できます。
- オフライン環境の Automation Suite の AI Center を使用すると、一部のコンポーネントが正しく読み込まれません。この問題は、インターネットへのアクセスがないマシンから AI Center のページを開くと発生します。
-
まれに、クラスターのステートが原因で、スキルのデプロイやパッケージのアップロードなどの非同期操作が長時間スタックしてしまうことがあります。DU スキルのデプロイに 2 - 3 時間以上かかる場合は、よりシンプルなモデル (例: TemplateModel) のデプロイを試みてください。シンプルなモデルを使用した場合でもデプロイに 1 時間以上かかる場合は、軽減策として以下のコマンドを使用した AI Center サービスの再起動を実行します。
kubectl -n uipath rollout restart deployment ai-deployer-deployment
kubectl -n uipath rollout restart deployment ai-trainer-deployment
kubectl -n uipath rollout restart deployment ai-pkgmanager-deployment
kubectl -n uipath rollout restart deployment ai-helper-deployment
kubectl -n uipath rollout restart deployment ai-appmanager-deployment
次のコマンドを使用して検証し、AI Center の pod が復旧されるまで待機します。* `kubectl -n uipath get pods | grep ai-*`
成功していれば、上記の pod のステートはすべて「Running」になり、コンテナーのステートは「2/2」になるはずです。
- AI Center で Document Understanding の OCR 用 ML パッケージを作成する場合、その ML パッケージの名前を「
ocr
」または「OCR
」にすることはできません。必ず別の名前を設定してください。 - Document Understanding を DefaultTenant で有効化できない場合があります。これにより、データのラベル付けセッションを作成できません。この問題を修正するには、テナント上の AI Center を無効化にしてから再度有効化します。再度有効化できるようになるまで、数分かかる場合がある点にご注意ください。
- Document Understanding を使用するには、SQL サーバーでフルテキスト検索機能が有効化されている必要があります。有効化されていない場合は、明示的なエラー メッセージが表示されないまま Document Understanding のインストールに失敗します。
- 最も古いリリース バージョンの Document Understanding を最も古いバージョンから最新のバージョンにアップグレードすると、ML スキル予測が正常に機能せず、「
prediction failed
(予測に失敗しました)」というエラー メッセージが表示されることがあります。この問題を回避するには、「auth_token_aicenter
」から始まるキーをすべてローカル ストレージから削除して、AI Center に再度ログインします。 - 自動再トレーニング pod の自動トレーニングが完了してもステートが「NotReady (準備未完了)」のままであることがあります。この問題を回避するには、次のコマンドを使用してステートが「NotReady」のポッドを削除します。
kubectl get pods -n uipath | grep autoretrain | grep "NotReady" | awk '{print $1}' | xargs kubectl delete pod
- ベア メタル構成でバックアップと復元を行った後で、トレーニング パイプラインとデータのラベル付けセッションが AI Center でスタックしてしまうことがあります。
- この問題のトレーニング パイプライン用の回避策は、ALM内の
ai-trainer-deployment
pod を手動で削除し、再起動することです。 - この問題のデータラベル付けセッション用の回避策は、ALM内の
ai-app-manager
ポッド を手動で削除し、再起動することです。
- この問題のトレーニング パイプライン用の回避策は、ALM内の
- Insights は、高可用性をサポートしません。
- Insights の Looker pod を復元すると、起動できない問題が発生しています。この問題は、ArgoCD の UI 上で Insights アプリケーションから Looker pod を削除することで修正できます。正常に起動する新しいポッドが作成されます。
- ユーザーが Automation Suite にログイン中にライセンスが割り当てられた場合、Test Manager を開いた際にライセンスの割り当てが検出されないことがあります。
この問題が発生する場合は、以下の手順に従ってください。
- Test Manager に移動します。
- ポータルからログアウトします。
- 再度ログインします。