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Robot ガイド
ピクチャ イン ピクチャ
ピクチャ イン ピクチャ機能は、有人のオートメーション プロセスをロボットと協働して実行できるようにする機能です。ピクチャ イン ピクチャ モードで開始されたプロセスは独立した Windows セッションで実行されるため、プロセスの実行中もユーザーはそのマシンを使用することができます。
プロセスをピクチャ イン ピクチャ モードで開始するには、Studio の [デバッグ] タブや StudioX から、あるいは直接 UiPath Assistant でプロセスのコンテキスト メニュー から実行します。
UIPATH_SESSION_TIMEOUT
を使用して変更できます。
UIPATH_SESSION_TIMEOUT
変数をシステム環境変数として設定し、Robot サービスを再起動してください。
プロセスをピクチャ イン ピクチャ モードで開始するとデスクトップ上にプレビュー ウィンドウが表示されるため、プロセスの実行状況をリアルタイムで把握できます。このウィンドウは、サイズ変更や移動、全画面表示ができるほか、他のウィンドウの手前に配置することもできます。ピクチャ イン ピクチャ モードは、いつでも終了できます。ピクチャ イン ピクチャ ウィンドウのタスク バーのエントリを右クリックして [ウィンドウを閉じる] を選択するか、単純にウィンドウを閉じます。確認ダイアログが表示されます。ここで PiP ウィンドウを閉じることを選択すると、実行中のプロセスが停止します。
PiP ウィンドウでは、以下のコントロールを使用できます。
- (制御する) - このコントロールを有効化すると、PiP セッションを管理できます。無効化すると、マウスとキーボードがメイン セッションでのみ機能します。
- (常に手前に表示) - このコントロールを有効化すると、フォーカスが外れているときでも PiP ウィンドウを常に他のアプリケーションの前面に表示できます。
- 最小化 - プロセスを中断せずに、PiP ウィンドウを最小化してメイン セッションのタスク バーに収めます。
- 最大化 - PiP ウィンドウを最大化します。
-
閉じる - PiP ウィンドウを閉じ、実行中のプロセスをすべて停止し、PiP セッションからログオフします。
ピクチャ イン ピクチャ セッションを初めて開始すると、Windows 資格情報の入力を求められます。マシンを再起動すると、資格情報の再入力を求められなくなります。
Studio の [プロジェクト設定] セクションで、プロセスを [PiP 対応確認済] に設定できます。つまり、そのプロセスはテスト済みであり、PiP セッション内で安全に実行できるということです。既定でピクチャ イン ピクチャ セッションで開始するよう、プロセスを設定することもできます。
[プロセスを呼び出し]、[ワークフロー ファイルを呼び出し]、[プロセスを並列実行] などの「呼び出し」系アクティビティでは、新しいプロセスの開始場所を選択できます。
Studio 内で [その他] > [ターゲット セッション] の順に移動し、アクティビティの [プロパティ] タブから設定できます。
以下のオプションを利用できます。
- Current - 子プロセスが親プロセスと同じセッション内に開きます。
- Process Default - 子プロセスがプロセスの設定を使用します。
- Main - 親プロセスの実行場所に関係なく、メイン セッション内で子プロセスが開始します。
-
ピクチャン イン ピクチャ - 親プロセスの実行場所に関係なく、ピクチャ イン ピクチャ セッション内で子プロセスが開始します。
マシンのピクチャ イン ピクチャ機能は、コマンド ラインを通じて有効化するか、マシンで初めて PiP セッションを開始するときに手動で有効化することができます。
メソッド |
コマンド |
説明 |
---|---|---|
手動 |
Studio または Assistant からピクチャ イン ピクチャ セッションを初めて開始すると、マシンの PiP 機能を有効化するよう求めるメッセージが表示されます。有効化するには管理者権限が必要です。 | |
コマンド ライン |
|
マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を有効化または無効化できます。この設定はローカル マシンに適用され、すべてのユーザーに影響があります。また、既存のインストールを変更するために使用されます。 次のパラメーターを設定できます。
マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を有効化します。
マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を無効化します。 例:
UiRobot.exe PiP --Enable これらのコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。 |
コマンド ライン |
|
コマンドラインから UiPath 製品をインストールするときに、マシンのピクチャ イン ピクチャ機能を有効化できます。 そのためには、以下のパラメーターを使用します。
例:
|
ピクチャ イン ピクチャ機能を使用する際の注意事項は以下のとおりです。
- Windows のメイン セッションへのログインに PIN を使用している場合、ピクチャ イン ピクチャのセッションを開始するたびに資格情報の入力を求められます。
- ピクチャ イン ピクチャ セッションが開くと、PiP セッション内で起動プログラムも開きます。このため、周辺機器の一部の設定 (キーボードやマウスの照明設定など) が既定値にリセットされる可能性があります。
- PiP プロセスの実行中にリモート デスクトップ セッションを有効化するよう促すメッセージが表示されてセッションを有効化した場合、この変更を反映するにはメインの Windows セッションから一旦ログアウトしてログインし直す必要があります。
- PiP セッションを事前に閉じる必要があるため、PiP セッションが開いている間はマシンを再起動またはシャットダウンできません。
- ピクチャ イン ピクチャの実行に関するオペレーティング システムの制限により、Windows 8 および 10 の Home Edition はサポートされていません。
- クリップボードは PiP セッションとメイン セッション間で共有されます。
- [管理者として実行] は、PiP セッションで使用できません。
- 一度に開始できるピクチャ イン ピクチャ セッションは 1 つのみです。
- ユーザーが PiP セッションを開始するには、そのユーザーに
Allow Log On Locally
権限を付与する必要があります。
Microsoft Office のリソースを使用するオートメーションは、メイン セッションでそのリソースが既に開いている場合、ピクチャ イン ピクチャで正常に実行されません。オートメーションが PiP でスムーズに実行できるように、次の操作を行います。
- Microsoft Office アプリケーションで使用されているリソースをメイン セッションから閉じて、PiP セッションで開けるようにします。
-
[分離] プロパティをオンに設定した [ワークフローを呼び出し] アクティビティを使用して、オートメーション内で Microsoft Office を使用する部分を呼び出します。Studio で [ターゲット セッション] を [ピクチャ イン ピクチャ] に設定します。
注: Microsoft Outlook は、上記の制限事項の影響を受けません。
ピクチャ イン ピクチャ セッションのブラウザー データは、既定でメイン セッションに保存されます。メイン セッションで Google Chrome または Microsoft Edge インスタンスを開いている場合は、PiP で別のユーザー プロファイルを使用する必要があります。これは、[ブラウザーを開く] アクティビティによって自動的に実行されます。PiP セッションとメイン セッションの両方で、特定のブラウザー (たとえば、Chrome) を同じユーザー プロファイルを使用して同時に開くことはできません。
ただし、ブラウザー データのモードと場所は、[ブラウザーを開く] アクティビティのプロパティから設定できます。
UserDataFolderMode
プロパティを Automatic
に設定すると、ブラウザーはメイン セッションと PiP セッションに別々のユーザー データ フォルダーを使用できます。
%LocalAppData%\UiPath\PIP Browser Profiles
フォルダーからユーザー データをクリアする場合は、対応するブラウザー拡張機能を再度有効化する必要があります。
DefaultFolder
に設定することを検討してください。つまり、メイン セッションと PiP セッションの両方でブラウザーのユーザー データに同じフォルダーを使用します。
DefaultFolder
に設定すると、ブラウザーは一度に 1 つのセッションでのみ機能します。ブラウザーがメイン セッションで開いている場合は、PiP セッションでは機能しません。これは、同じブラウザー プロファイルを 2 つのセッションで同時に使用できないためです。
Target Session
と UserDataFolderMode
は Studio でのみ変更できるプロパティです。これらのプロパティを変更するには、StudioX で開発されたプロジェクトを Studio で開く必要があります。
CustomFolder
に設定することで、メイン セッションと PiP セッションに別々のユーザー データ フォルダーを指定できます。
使用している環境によっては、適用されている特定の Windows ポリシーが原因で PiP セッションを開始するたびにログインを求められる場合があります。
これは、Windows Hello for Business の PIN が使用されている場合にも発生します。PIN 認証は PiP セッションの初回生成時にのみ機能し、その後 PiP セッションにログインするにはユーザー名とパスワードが必要になります。これは一部の組織にとって最適なシナリオではない可能性があるため、現在この挙動の修正を検討しています。
プロセスを初めて PiP で開始する場合、実際に実行が開始されるまでに通常より時間がかかります。これは、PiP セッションがすべての Windows プロセスと起動プログラムを開始する必要があるために発生します。
推奨事項: マシンの起動時に PiP セッションを開始し、1 日中開いたままにします。これにより、プロセスごとに新しい PiP セッションを開始するよりも使用するリソースが少なくすみます。
AllowLogOnLocally
などの一部の Windows のポリシーでは、PiP セッションを開始できない場合があります。PiP セッションを開始するユーザーが必要な権限を持つグループに属するようにするか、明示的に権限を付与する必要があります。
VPN クライアントを PiP と組み合わせて使用する場合、競合が発生する場合があります。たとえば、ユーザーのログイン時に VPN クライアントが起動するように設定されている場合、PiP の開始時に VPN クライアントの別のインスタンスが起動します。VPN クライアントはユーザー 1 人につき 1 つのインスタンスを実行するように設定されているため、これら 2 つのセッション間で競合が発生します。
このようなシナリオを解決するために、最も一般的な VPN プロバイダーとそれぞれの特殊性、発生する可能性がある既知の問題の解決方法を以下のリストにまとめました。
現象
Cisco AnyConnect クライアントがユーザー マシンで実行されており、PiP セッションが開始されると、別の Cisco AnyConnect クライアントが PiP セッションで起動されます。
原因: Cisco VPN サーバーはユーザー1 人につき一度に 1 つのセッションを受け入れます。PiP セッションが開始されると、Cisco AnyConnect によってメイン セッションの VPN が切断され PiP セッションでエラーが発生します。
これによりユーザーの VPN 接続がシャットダウンされ、VPN 接続が必要なサービスにアクセスできなくなります。
解決策:Windows の起動時に VPN クライアントが自動的に開始するよう設定しないでください。これにより、PiP セッションの開始時に新しい接続が開始されなくなり、PiP のトラフィックはメインの Windows セッションを通じてトンネリングされます。
現象
PiP セッションが開始されると、PiP セッションで別の Zscaler クライアントが起動します。これにより、Zscaler クライアントがメインの Windows セッションから消えます。ユーザーが PiP セッションを閉じるまではすべて期待どおりに動作しますが、PiP セッションを閉じると Zscaler クライアントは状態遷移中のままになります。Zscaler を開くには、ユーザーがサインアウトしてサインインし直すか、マシンを再起動する必要があります。
原因: 現在、この Zscaler の問題の原因を調査しています。解決策: 現在、この Zscaler の問題の解決方法を調査しています。
現象
PiP セッションが開始されると、ユーザーは VPN から切断されます。
原因: Pulse Secure クライアントは、同じユーザーに対して 2 つの Windows セッションを処理できません。解決策: Pulse Secure のサポート チームに問い合わせることをお勧めします。
複数のユーザーが同時に 1 つの Windows Server に接続されているシナリオでは、マシン上で起動できる PiP セッションは 1 つだけです。つまり、PiP セッションを開くために使用されるユーザーやセッションの種類に関係なく、1 つのマシン上で開くことができる PiP セッションは 1 つだけです。