Release date: April 26th 2021
このページでは、UiPath Process Mining v2021.4 で新しく公開された機能、改良点およびバグ修正に関する詳細を確認できます。セクションのタイトルに「(v2021.1)」と記載されている機能や改良点は、UiPath Process Mining v2021.1 (プレビュー版) で既にリリースされたものです。
概要
テレメトリ
UiPath Process Mining では、問題の診断および製品の改善を目的として、使用状況とパフォーマンスに関するデータを収集します。収集される情報には、UiPath 製品情報、オペレーティング システム、ブラウザーのバージョンに関するデータが含まれます。テレメトリ データは常に匿名で送信されます。
For more details about UiPath’s privacy practices, please review the UiPath Privacy Policy.
注
テレメトリによって診断データが正しく送信されるようにするため、UiPath Process Mining サーバーに対して、ファイアウォールが適切に設定されているかどうかを確認することをお勧めします。
v21.4 の UiPath Process Mining のビルドで開いたアプリに対しては、使用状況のデータの収集は既定で有効化されています。ただし、[Server Settings] で SendTelemetryData
の設定を定義することで、いつでもテレメトリを無効化できます。
See Disabling UiPath Process Mining to send telemetry data.
新機能
UiPath Automation Hub へのオートメーションのアイデアの送信
自動化に適した業務の検出、調査、オートメーションの開発、そしてプロセスの改善に関するコミュニケーションを行うには、さまざまな UiPath 製品を複合的に使用します。UiPath Automation Hub を使用すれば、UiPath Process Mining で検出されたオートメーションのアイデアを実際に実装することができます。今回、UiPath Process Mining を UiPath Automation Hub と連携できるようにしました。これにより、エンドユーザーは、自動化の対象となる業務プロセスの改善アイデアを、Process Mining のプロセス グラフから UiPath Automation Hub に直接送信できます。
See Set up Integration with UiPath Automation Hub for a detailed description on how to enable end-users to send automation opportunities to UiPath Automation Hub.
AppOne
[オートメーションのアイデアとして提出] オプションが、AppOne の以下のプロセス グラフで利用できるようになりました。
- 概要 - 自動化
- プロセス - プロセス
- プロセス - 繰り返し
- タイミング - タイミング
プロセス グラフの右上のアイコンをクリックすると、自動化候補のアイデアとして UiPath Automation Hub に提出するアクティビティを選択できます。[オートメーションのアイデアとして提出] ダイアログには、全般的な情報やオートメーションの詳細を入力する必要があります。これらの情報に加え、このオートメーションのアイデア内で自動化されていないすべてのイベントのユーザー、イベントのコスト、イベントの処理時間が UiPath Automation Hub に送信されます。
重要
エンドユーザーが AppOne から UiPath Automation Hub にオートメーションのアイデアを送信できるようにするには、管理者は以下の属性を設定する必要があります。
- [手動処理時間] と [ユーザー] に値が入力されている必要があります。0 に設定することはできません。
- [手動イベントのコスト] は任意のフィールドであるため、0 に設定しても構いません。
See Sending Automation Ideas to UiPath Automation Hub for an overview of how to send automation opportunities from AppOne.
根本原因分析の実行
AppOne に、[規格準拠] - [根本原因分析] のダッシュボード (画像参照) を追加して、根本原因分析を行えるようにしました。


[参照ケース] のセットは、[ケース終了] および [ケースのステータス] フィルターに基づいて定義されます。ユーザーは、このケース セット内で分析対象の作業を選択します。たとえば、特定のタグを持つケースなどです。ここで選択した項目は、「選択したケース」と呼ばれます。根本原因分析では、[選択したケース] と [参照ケース] の発生回数が比較されます。
See also Conformance - Root cause analysis.
シングル サインオン認証
Superadmin ユーザーおよびエンド ユーザーが、シングル サインオン (SSO) を使用して UiPath Process Mining にログインできるようになりました。
Azure Active Directory または統合 Windows 認証で UiPath Process Mining インスタンスが認識されるように設定したら、[Server Settings] でオブジェクト ExternalAuthenticationProviders
に、Azure AD または統合 Windows 認証の、必須の設定を追加します。ExternalAuthenticationProviders
について詳しくは、『UiPath Process Mining ガイド』の「認証」セクションの該当ページをご覧ください。
注
シングル サインオン認証とは
- UiPath Process Mining で推奨される認証方法です。
- Microsoft Azure Active Directory および統合 Windows 認証でサポートされています。
Set up Single Sign-On through Azure Active Directory.
Set up Single Sign-On through Integrated Windows Authentication.
重要
UiPath Process Mining を v2021.4 にアップグレードした後でも、Superadmin のビルドを以前のバージョンに切り替えることができます。ただし、以前のバージョンでは Superadmin ユーザーを新しく追加することができません (ユーザーの削除は可能)。新しいユーザーを追加するには、常に最新バージョンの UiPath Process Mining を使用してください。
アプリ開発者向けの SSO
[Server Settings] で ExternalAuthenticationProviders
を設定すると、[AD groups] パネルが [Superadmin users] タブで利用できるようになります。このパネルで、新しい AD ユーザー グループを追加できます。[Superadmin users] タブで定義されたグループのメンバーであるアプリ開発者は、シングル サインオンを使用して、Microsoft アカウントで UiPath Process Mining にログインできます。[Superadmin Login] ダイアログには [Sign in with Microsoft] ボタンが表示されます (画像参照)。


[Superadmin users] タブでは、AD グループに管理者権限を付与できます (画像参照)。
See Adding Superadmin AD Groups for a description on how to enable SSO for app developers.
重要
Superadmin ユーザーに対してシングル サインオンを有効化するには、最新版 (v2021.4 以上) のディスパッチャーのビルドを使用する必要があります。
エンドユーザー向けの SSO
[Server Settings] で ExternalAuthenticationProviders
を設定すると、[End-user administration] ページが [Groups] タブで利用できるようになります。このパネルで、新しい AD ユーザー グループを追加できます。[Groups] タブで定義されたグループのメンバーであるエンドユーザーは、シングル サインオンを使用して、Microsoft アカウントで UiPath Process Mining にログインできます。Superadmin と同様に、[ログイン] ダイアログに [Sign in with Microsoft] ボタンが表示されます。
[End-user administration] ページの [Applications] タブでは、Azure AD グループのすべてのユーザーに、特定のアプリを開く権限を付与できます (画像参照)。


SSO を使用してログインするユーザーには、そのユーザーが所属する各グループに付与されている権限がすべて付与されます。さらに、[Admin] プロパティのようなユーザー単位のアクセス権を、グループに対して設定することもできます。プロパティが設定されたグループのどれか 1 つにでもユーザーが所属していれば、ユーザーにはそのプロパティの権限が付与されます。
See Adding End-user AD Groups for a description on how to enable SSO for end-users.
重要
エンドユーザーに対してシングル サインオンを有効化するには、最新版のディスパッチャーのビルドを使用する必要があります。
sync-endusers スクリプト
The sync-endusers
script that can be used in a connection string when setting the driver parameter of the connection string to {mvscript}
and the script parameter to sync-endusers
also allows syncing of groups. See also Adding End-user AD Groups.
自動化の機会の発見 (v2021.1)
AppOne の [概要] メニューに [自動化] ダッシュボード (画像参照) を追加しました。このダッシュボードでは、プロセスを自動化する機会を見つけることができます。選択した属性について、現在の期間および前の期間の [自動化率] が表示されます。コンテキスト メトリックに [手動処理時間]、[手動イベントのコスト]、[手動イベント] が使用でき、自動化に最適なアクティビティを決定できます。


注
[プロセス] メニューで以前使用されていた [自動化] ダッシュボードが非推奨となり、AppOne で表示されなくなりました。代わりに、[概要] - [自動化] ダッシュボードが新しく使用できるようになりました。[プロセス] - [自動化] ダッシュボードはバックグラウンドで引き続き利用できるため、必要に応じて開発者が有効化できます。
このダッシュボードの追加と共に、[イベントのコスト] 属性の名称を [手動イベントのコスト] に変更し、新しく [手動処理時間] 属性を追加しました。
- [手動イベントのコスト] は、従業員の賃金など、イベントを手動で実行するのに必要なコストです。
- [手動処理時間] は、実際にイベントに費やされた時間です。これには、待機時間は含まれません。
これに伴い、以前から AppOne の [タイミング] - [タイミング] ダッシュボードに存在していた [処理時間] 属性の名称を [サイクル時間] に変更しました。この属性は、イベントの実行開始から終了までの時間を表します。
注
イベントのコストが [概要] - [自動化] ダッシュボードに表示されるようになったため、AppOne の [タイミング] - [タイミング] - [ケース] ダッシュボードのメトリック セレクターに表示されていた [イベントのコスト] メトリックは利用できなくなりました。
基本アプリからのアプリの作成 (v2021.1)
既存の公開済みアプリをいわゆる「基本アプリ」として使用し、そこからアプリを作成できます。つまり、公開済みのアプリをテンプレートとして使用し、必要に応じて変更できます。さらに、基本アプリの新しいバージョンが公開された場合は、使用中のアプリをアップグレードしてこれまでの変更をマージできます。
See Creating apps.
AppOne のカスタマイズ済みバージョンの更新 (v2021.1)
AppOne の新しいバージョンが公開されたら、アプリもそのバージョンに更新する必要があります。AppOne をカスタマイズしていても、その設定を保持したまま新しいバージョンに簡単にアップグレードできるようになりました。お使いのアプリの基本アプリとして使用している AppOne のバージョン (基本リリース) と、アップグレード先の AppOne のバージョン (新リリース) の両方をアップロードすれば、ワークスペースからアプリの基本リリースと新リリースを選択するだけで新しいバージョンにアップグレードできます。
See Updating a Customized Version of AppOne.
この新機能の追加により、[Releases] タブの [Delete unused releases] オプションを選択した際に、環境内でアクティブなバージョンや、アクティブなデータ インスタンスを持つバージョンに加えて、ワークスペースで基本アプリとして使用しているバージョンも削除されないようになりました。
プロセス グラフの凡例のカスタム ラベル (v2021.1)
プロセス グラフのカラー モードが [Compare] または [Reference] に設定されている場合に、既定の凡例ラベルを変更できるようになりました (画像参照)。選択中のカラー モードに応じて [Advanced Process Graph Settings] ダイアログに式フィールドが表示され、プロセス グラフの適切な凡例ラベルをカスタマイズできます。
See Customizing the Process Graph Legend.
プロセス グラフの詳細スライダー (v2021.1)
プロセス グラフの [アクティビティ] と [エッジ] のスライダーを単一の [Detail] スライダーに変更しました (画像参照)。エンド ユーザーは [Detail] スライダーを操作してプロセス グラフの複雑度を下げることができるため、グラフが読み取りやすくなります。既定では、スライダーは [AUTO] に設定されていますが、スライダーの値を変更すれば細かさのレベルを変更できます。
開発者は、[Detail] スライダーをプロセス グラフに表示させるかどうかを決定できます。さらに、既定の複雑度の割合を設定できます。
See Customizing the Detail Slider.
注
UiPath Process Mining の以前のバージョンで、プロセス グラフに [アクティビティ] スライダーまたは [エッジ] スライダーのいずれかを定義している場合、v2021.4 の UiPath Process Mining にアップグレードすると、それらが新しい [詳細] スライダーで置換されます。
[詳細] スライダーの値は、[アクティビティ] スライダーの設定に従って調整されます。[アクティビティ] スライダーを 100% に設定していた場合、[詳細] スライダーは [自動] に設定されます。[アクティビティ] スライダーに既定の割合を設定していた場合、[詳細] スライダーはその割合に設定されます。
列の並べ替え (v2021.1)
既定では、データはカテゴリごとにアルファベット昇順で並べ替えられます。今回のリリースでは、開発者が [Grid] パネルのオプションを使用して列の並べ替えやその順番を定義できるようになりました。
See Bar charts: Column sorting.
注
並べ替えは列に対して適用されるので、[Sort columns] と [Sort direction] オプションは、[Grid] パネルに [Column] 属性が設定されている場合にのみ使用できます。
基本コネクタの更新 (v2021.1)
基本コネクタに新しいイベント属性 Event processing time
を追加しました。この情報がソース システムに格納されていない場合は、推定される処理時間をアクティビティごとに入力できます。推定値を入力するには、ワークスペースで .csv
ファイルに別途値を入力する必要があります。このファイルには、Event cost
の推定値も定義できます。
See Adding Automation Estimates.
改良点
ワークスペースの更新時の競合処理
ワークスペースの更新中に .mvp
ファイル以外のファイルで競合が発生すると、更新が中止されていました。今回、更新中に発生したテキスト ファイルの競合の処理方法を改良し、テキスト ファイルに既定の Git
のマージ競合マーカー (>>>>>>>>>>>>
) を追加しました。これにより、更新が完了してから競合を解決できるようになりました。
注
テキスト エディターで開くことができる種類のファイルは、すべてテキスト ファイルと見なされます。たとえば、
.Json
、.txt
、.csv
などです。
メッセージ アクションのタイトルの削除
[Show Message] アクションを使用すると表示されるメッセージ ボックスから、[Message] というタイトルを削除しました (画像参照)。


アクション センターからアクショナブル インサイトへの名称変更 (v2021.1)
UiPath Orchestrator との連携により UiPath Process Mining からアクションやキュー アイテムを作成できる機能の名称を、製品間で連携が行われていることがイメージしやすいように、「アクショナブル インサイト (次のアクションにつながる分析情報)」に変更しました。
注
UiPath Process Mining の以前のバージョンでアクショナブル インサイト (次のアクションにつながる分析情報) をセットアップした場合、インストールのフォルダー名を「actioncenter」から「orchestrator」に更新する必要があります。また、基本コネクタのアクショナブル インサイトに関連するすべてのファイル (
python
スクリプトを含む) を更新する必要があります。
See Setting up Actionable Insights.
署名の公開 (v2021.1)
UiPath Process Mining ソフトウェアが UiPath の署名キーによって署名されました。このため、必要に応じて Process Mining をファイアウォールやウイルス検索プログラムなどのセキュリティ ツールにホワイトリスト登録できるようになりました。
注
この新機能によって、リリースされるファイルの構造に変更があります。
AppOne_v21.4.x.zip
ファイルとAppOne_v21.4.x.exe
ファイルに、基本コネクタ、プロファイラー、およびその他の関連ファイルが含まれるようになりました。
引き伸ばされて平らに表示されるグラフの改良 (v2021.1)
列内のグラフが過剰に引き伸ばされて平らに見えてしまうことがありました。これを改良して、表内にグラフが 1 列しかない場合は列の最大幅が 400 ピクセルに設定されるようになりました (画像参照)。


グラフ上の既定でアクティブなフィルター (v2021.1)
グラフを新しく作成すると、ダッシュボードの既存のフィルターが新しいグラフに対してもアクティブになります。[フィルター] パネルで利用可能なフィルターが、条件に基づいて次のように適用されます。
- 新しいグラフを作成する対象の表に対して既に作成済みのグラフがある場合、そのグラフのフィルターが適用されます。
- 新しいグラフを作成する対象の表に基づく既存のグラフが存在しない場合、最初のグラフに定義したフィルターが適用されます。
- これがダッシュボードの最初のグラフである場合、新しいグラフに対しては既存のフィルターがすべてアクティブ化されます。
履歴グラフの現在の箇所の表示 (v2021.1)
履歴グラフの X 軸に期間フィルターが適用されている場合、現在の箇所を示すドットが表示されます (画像参照)。


グラフの 0 の目盛 (v2021.1)
Y 軸の開始値がグラフに表示されない問題を修正しました (画像参照)。


グラフのサイズを変更すると、目盛も更新されます。下のアニメーションでご確認ください。


表の選択機能 (v2021.1)
表の値を選択した際に、選択した値と同じ行の他の列も選択されるようになりました。この場合、行全体が強調表示され、実際に選択した値は太字で表示されます (画像参照)。


列を選択することもできます。表に対して列の属性が設定されており、結果が表示されている列のみが選択できます。このとき、[フィルター] パネルにはフィルターが追加されます (画像参照)。
AppOne の詳細ダッシュボードの数値の修正 (v2021.1)
ダッシュボードに始点アクティビティと終点アクティビティのフィルターが設定されている場合に、AppOne の [詳細] メニューのダッシュボードに表示される数値がこれらのフィルターを考慮するようになりました。
リスト ボックス フィルターの既定の最大値の設定 (v2021.1)
リスト ボックス フィルターに多数の項目がある場合、フィルターが応答しなかったり、ユーザー インターフェイスが完全にフリーズしたりすることがあります。これは、項目数の制限値が 200,000 であることが原因で発生していましたが、現在は既定で 20,000 に設定されています。AppOne では、リスト ボックス フィルターの既定の最大値はもともと 20,000 に設定されていました。AppOne に基づいていないカスタム プロジェクトがある場合、状況によってはこの制限を手動で更新する必要があります。
注
プロジェクトの [Application Settings] でリスト ボックス フィルターの既定の最大値を 20,000 に設定するか、代わりに検索ボックス フィルターを使用することをお勧めします。


SAP データのネイティブ抽出 (limit パラメーター)
SAP 接続文字列を定義する際に、[Query] フィールドでパラメーター limit
を設定することで、テーブルから取得するレコードの数を制限できるようにしました。このパラメーターの設定は任意です。
See Connection String Types: SAP
既知の問題
キャッシュの生成
UiPath Process Mining 2021.4 でビルドされたリリースのキャッシュを、古いバージョン (例: UiPath Process Mining 2020.10) の Superadmin ビルドから生成すると、「QEventDispatcherWin32::wakeUp: Failed to post a message
(メッセージの送信に失敗しました)」というメッセージが表示される場合があります。これはキャッシュの生成に影響しないため、無視してかまいません。
6 か月前に更新